5章-4【猟奇4】

僕達が会ってもう4日、いや日が代わってるから5日目になる。

車の予約は7日間だから後2日して車が返却されなければ何かしら連絡がきて、それでも繋がらなければ通報されるような形になるのだろう

そうなれば車にGPSが付いてるのか分からないが居場所を特定される恐れもある。

出来ればそれまでに復讐を終わらせて最後の時を迎えられればと思うけど中々難しい

なぜなら後の4人は今の居場所も分からないからだ、僕達はルナの家族への復讐を終わらせて今また東京に向かっている

そう次は僕の復讐の続きである次の人物の元へ

次の人物は僕を館山さんの前で辱めて周りで笑っていたあの女日高杏奈に決めていた。

なぜ彼女かと言うと単純に女性だからだ男性なら抵抗された時に返り討ちに合うこともあるかもしれないが女性ならそのリスクが減るただそれだけの理由だ

ただ彼女が今何処にいるのか分からないので彼女の実家に連絡した。

案の定彼女は今家に居ないらしく大学の近くで一人暮らしをしているらしい。

僕が中学の同窓会ののとで連絡を取りたいと言うと何も疑わずに彼女の大学と携帯電話の番号それに一人暮らし先の住所まで教えてくれた。

全く警戒心の無さに呆れる程であった。

これで彼女の居場所がわかったので急いで東京に戻る事にしていた。

殆ど寝てないが不思議と眠気は来ない

興奮状態はもう治まっているが僕はもう5人も手にかけている、それに死体ごと家を燃やし

もう普通の精神状態では無いのだろう、いやもう人ですらないのかもしれない。

ルナは少し疲れたのか今は横の座席で寝ている。

彼女にはもうこれ以上こういう事には関わせたくないのが本心だ、彼女は自由になった

ほんとの意味では自由では無いのだろうけど

精神的に解放されたといってもいいだろう

あとの事は出来る限り僕一人で終わらすと心に秘め今は次の目的地を目指す。

多分このままなら夕方には着けるはずだ。途中で休憩を挟みながらも僕達は17時頃には東京に到着していた。

ここから彼女の住む場所迄はそう遠くはない彼女が家にいるかどうかは分からないが取り合えず付近まで行ってみることにした。

18時頃目的の場所に到着した。

家にいるかは不明だが入り口が見える位置に停車して暫く待つことにした。

20時ぐらいまで待って帰ってこなければ部屋番号も聞いてるので直接部屋に行ってみることにした。

2時間経ったが特になにもなかった、仕方なく直接部屋を訪ねることにした。

ルナには車で待っているように言っておいた。

一応スタンガン、ナイフ等は持っていく

アパートはオートロックではなく、防犯カメラ等もついていないようではあったが

一応帽子を深く被り人に見られないように慎重に進むことにした。

彼女の部屋は305号室らしい、アパートに入り一応エレベーターが付いていたが人とある危険もあるので

階段を使用する、3階迄上がり周囲を見て人がいないことを確認した。

誰もいないことを確認し急いで305の部屋の前まで行った。

表札等はない、まぁ一人暮らしの女性としては当然だと思うが

インターホンを鳴らす、中から音が聞こえる。

部屋に彼女がいてもすんなり入れてくれるとは思えないそれどころか扉を開けてくれるかも

怪しい、でも何とかして扉は開けてもらわいといけない、扉さえ開けてくれれば持っているスタンガンで

気を失わさせて中に押し入るのは難しくない。

中から確認されて僕だどわからないように帽子を更に深く被った。

しかし中から人が出てくる気配はなかった。

留守でまだ家に帰ってないのだと思い下で待っているしかない

一旦戻ろうとした、1階に降り丁度入り口を通る時、一人の女性とすれ違った。

派手な髪色をし、化粧気の強い女性だった、僕は一目で日高安奈だと分かった。

僕の知っている彼女は化粧もしていないし髪色も黒だったが、間違いなく彼女だ

身体が熱くなるのがわかる、少し興奮状態だ

すれ違った彼女は丁度1階に止まっていたエレベーターに乗り込む。

僕はそれを見計らって引き返し階段で3階迄駆け上がった。

僕が3階に到着したと同時にエレベーターも3階に到着する。

僕はまだ廊下に出ずに階段で息をひそめる、駆け上がってきたのと興奮状態で荒くなっている息を

沈めていく、そして冷静に考える。

どのタイミングで出て彼女を無効化するかが重要だ

出るタイミングを間違えれば警戒されてしまい失敗するそうなればもう中に入るのは難しくなる

僕は集中し耳をすました、エレベーターが空き『カツ、カツ』と足音が聞こえる、部屋に向かっている

足音が止まりガサゴソとする音、鞄から鍵を探している?そして『ガチャガチャ』と扉に鍵を

差し込む音、『ガチャり』鍵が開く音、まだだとはやる気持ちを抑える。

そして『キー』と扉が開く音がした。

今だと思い廊下に出る、その時には日高安奈は部屋の中に向いており体も半分ぐらい部屋に入っており

扉がゆっくり閉まっていく、僕は急いで扉まで行き閉まりかけの扉を抑えて中に入る

前には靴を脱ごうとしている日高安奈の屈みこんだ背中がある

僕は持っていたスタンガンを日高安奈の後ろ首に当てた、一瞬ビクッとしたが次の瞬間には

『バチチチッチ、ドサ』と日高安奈は僕の前に倒れこんだ。

「はぁ~」と僕は大きく息を吐いた。

次は拘束したいが今はその道具を持っていない、すぐに車に取りに行き戻ってこなければと考える。

僕はゆっくり扉を開き周りに人がいない事を確認する。

そして一旦車に戻り道具を取りに行くことにした。

一旦車に戻りルナに今の状況を簡単に説明した、そして道具をもって再び行こうとすえると

ルナは自分も行くと言い出した。

 僕はここで待っているようにと説得するが、ルナは聞き入れない。

ここで時間をかけて日高安奈が目覚めたら意味がないので見ているだけと約束を交わし

仕方なく連れていくことにした。

部屋に戻ると、先ほどと同じように玄関先で日高安奈は倒れこんでいた。

僕は道具の中からテープを取り出し、両手、両足、口にテープをした。

両腕は手を背中に回し後ろで縛った。

そのまま日高安奈を抱えて部屋に入り中を確認、部屋の奥にベッドがあったので

そこに座らせるような形で下した。

ここから特に目的はない、日高安奈をこのまま殺してしまってもいいのだが

出来れば次の準備で峰優、当時の彼氏の現状等分かれば聞いておきたいと思い目を覚ますのを待っている。

1時間程立った時日高安奈の意識が戻り始める、ぱっと目が開き自分の状況を確認し

目の前に僕がいることに気づき暴れだす。

日高安奈は僕が誰だかわかっているようだ、それは目を見ればわかる。

恐怖というか血走った目、目の前に昔虐めた者がいて自分の体の自由は奪われている

これから殺されるかを分かっているかは不明だが相当悪い状況である事はわかるはずだ。

そして僕は話始める

「日高さん久しぶりだね、僕の事を覚えていてくれたみたいでなによりだよ」

しかし日高安奈は僕の話をきいておらずずっと体を揺らしうーうーと声にならない

うめき声を発している。

それを見て僕は、手に持っているナイフを目の前に突き立てた、ナイフはベッドに深く突き刺さった。

「人が話しているのだ、きちんと聞けよ」と言うと日高安奈は唸るのも体をゆするのもやめ大人しくなった。

「僕は過去を清算する為にここに来たんだよ

君たちに復讐するために」

日高安奈はまたうなりだした、体はゆすってないがうーうーと唸っている。

何かを訴えているようではあるが僕にはその言葉に興味はない。

「君たちが過去を悔やんでもどうにもならないように、今の君の運命ももう変わらないんだよ」

「それより君に聞きたい事があるんだ

峰優が今どこにいるか知っているかい?」

その問いに日高安奈は首を振った。

「そうか、ならもう君を生かしておく必要もないね」

それを聞くと日高安奈はまた何かを訴えるように唸りだす。

「連絡先は知っているのか?」

その問いに首を縦に振りうんうんと頷いた。

持ち物からスマートフォンを取り出した。

暗証番号が必要で解除させないと中身を確認できない。

手のテープを取って暴れられると厄介なので考えた末口のテープを剥がす事にした。

勿論警告をして。

「今から口のテープを剝がします、でも大声出したりしたらこれで頭を打ち抜きますからね」

僕はそう言って自動くぎ打ち機を日高安奈の額に付けた。

了解したのか彼女はゆっくりと頭と下げた。

僕は口のテープを剥がした。

彼女は「星崎君どうしてこんな事を」と言っているが答えても意味がないので無視して

「無駄話している暇はないんだ、スマホの暗証番号を教えて」

と簡潔に言う。

日高安奈は素直に教えた、僕はロックを解除して、電話帳の記録を確認する。

中に峰の名前で登録を見つけ彼女に「これ?」と聞くと「うん」と答えた。

「連絡を取っているの?」

「殆ど取っていない、たまに向こうから飲みにいこうとか誘われることはあるけど

あいつ今ホスト紛いなことしていて怪しい連中とつるんでるからあまり関わらないようにしてる」

「そうか、居場所わかる?」

「仕事先は分からないけど歌舞伎町ら辺によくいるらしい」

「そうだ、私も協力するよ私が電話かけて呼び出したらあいつも来ると思うし

だったら探す手間なくなるでしょ」

「だから私は見逃してって言いたいの?」

「うん、あの時は本当に悪かったと思ってる、謝っても謝りきれない

でも協力するからそれで許してほしい」

僕は考えた、たしかに日高安奈に電話させて呼び出したら峰は来る可能性が高い

僕は少し考えて「分かった君の働き次第で考えるよ」

と答えた。

「それじゃ早速彼に電話してくれるかい

そしてどこかで待ち合わせをして欲しいんだ

出来れば人目のつかない所に、そうだね地元のお店でもいいそこならまだ土地勘もあるし」

「分かった」といって彼女に電話をさせる、勿論スピーカーにしてこちらも聞こえるようにして

電話をして何コール目かで彼がでた。

「もしもし」気だるそうな声だ、しかし忘れる事の出来ない声だった。

「もしもし、ひさしぶり」

「おぉ~久しぶり、どうした?おまえから掛けてくるなんてめずらしい」

「いや、なんか昔を思い出してさ」

「昔はあほなことばっかりしてたからなほんと」

「ところでさ、あんた明日とか暇?時間ある?」

「まぁあるっちゃあるけど?」

「だったら明日飲みにいかない?

せっかくだし色々昔の話したいなって」

「いいけどどこでよ?」

「地元の○○って店あったでしょ、そこでいい?」

「いいけど、お前今実家じゃないだろ?

そこまで行くのか?」

「明日実家に用事あるから丁度いいんだよ

来れる?」

「いけるけど、何時だよ?」

「じゃあ18時ぐらいで」

「分かった」

「じゃあしたね」

それで電話を切った、取り合えず呼び出す事には成功した。

後はどやって峰をおびき寄せて始末するか考えないと、その時には日高安奈はもういないのだから

「ね、私役に立ったでしょ?

この後も協力するからこの拘束をほどいて」と彼女は言った。

僕は「分かったよ」といい彼女の後ろにまわる

そしてしゃがみ彼女の手のテープを剥がす素振りをみせる。

そしてもう一度立ち上がり自動くぎ打ち機を手にし彼女の後頭部に押し当てた。

次の瞬間僕はレバーを握る。『ガガガガガッ』と釘が次々打ち出される。

「アガガガガガッ」と日高安奈の断末魔というか声にならない最後の叫びが聞こえた。

僕はその行為を冷静にそして冷徹に最後の釘が打ち出されるまでレバーを握り続けた。

全ての釘が打ち出された後もう絶命している日高安奈であったであろう肉塊が目の前にあった。

後頭部には穴が開き中が見えていて血が溢れだしている。

貫通した釘が幾つもベットに突き刺さっていた。

そう最初から日高安奈を許すつもりなどなかった。

でも峰と連絡が取れたのは良かった探す手間が省けた、明日には向こうから来てくれる。

死体の始末を考えたが流石にこのアパートに火をつけるわけにもいかず持ち出すのも

これだけ損壊が激しいので血の跡ができる。

なのでもう何もせずに放置することにした。

その内死体が発見されるだろうが後数日で終わるそれまで持てばいいと考えていた。

そして僕たちは日高安奈の死体をそのままにしてあとにした。

明日は峰優、あの時の主犯格を始末する、その為の作戦を考える事で頭が一杯だった。

ここで大きなミスをしている事も気づかず。

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狂気の月 @jiu07760

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