第30話  カズヤ君⑪

「さあ、崔君、どこへ行ったらええか? 教えてくれ」

「自分で調べろや」


「崔君、行ってきたで」

「それにしては、まだ目が血走ってるなぁ」

「すごく良かったから、またやりたいねん。俺は目覚めたんや。もっともっとやりたい!」

「あ、そういうこと」

「でも、これで俺は童貞ちゃうで」

「いや、“素人童貞”って呼ばれるで。要するに半人前扱いや」

「そうなんか? うおおお! せっかく童貞じゃなくなったのに! 残念や-!」



 カズヤ君は、雄叫びを上げた。







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