読み手として、分かる気持ちと、分かれない、分かりたくない気持ち。その両方が相克して、結末まで先の読めない短編です。表題に含まれる「りんご」の用い方がとても印象的な作品。「物語」の、文字通り「物」が語っているようで、作品全体にそこにある影のように広がっています。「暗喩」といえばいいのでしょうか・・・・・・。表現の手法、あえて抑えたような文章の色合いが印象的な作品でした。私は好きです。