第10話~ついでのお話し~

「神様、雀役お疲れ様でした。」

「君こそ、鷲役ご苦労様でした。

あ~あ。ドンちゃんと会えなくなると、ちょっと寂しいのう。当分会えぬか。はあ~。」

「その内に会えますから。待ったとしまして、百年足らずです。人間ですから。」

「そうか…。こっちに来たら、あやつ( 道明寺) に標準語( 津軽弁) を教えてやらんと。

あっ、そうそう、ねぶた祭りの踊り方も伝授しないとなあ。」

さあ、皆で踊りの練習をしようかのう。

いぐべえが( 行こうか) 。

ピアピアピアラララ。( 横笛)

ドオントドン( 大太鼓)

ジャンジャカ( ジャガラギ)

シャンシャンシャン( 鈴の音)

5m(高さ)× 9m(幅)× 7m(奥行)の巨大な『ねぶた』と言う人形灯籠がそこにあった。

人形の姿形は・・・。

人を攫(さら)い食う邪鬼となったヌエと、退治に来た憤怒の龍。

龍に力をもらい戦う勇者の名は、ドン助(道明寺)だ。

人形は内から幻想的に照らされて跳人(踊り手)達を狂わせた。

「はあ、ラッセラ、ラセッラ、ラッセラッセラッセラ~。」

「ラッセラ、ラセッラ、ラッセラッセラッセラ~。」

「はあ、ラッセラ、ラセッラ、ラッセラッセラッセラ~。」

跳ねまくるぞう。

一瞬だが蝦夷(幻想の国)へ夏(魂)が来て去っていった。


へばな( それでは)

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おっとりドンの童歌 花田一晃 @jko4166

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