タガの外れた、語り手の周囲の環境。そこに片足を踏みいれ続けているのは、狂気ではなく、弱さゆえか。けれども、窮鼠猫を噛むの言葉通り。臆病な想いを抱き続けてきた語り手は、ありふれた、けれどその追い詰められた歪みに一打を受けた結果、越え切れずにいた一線をあっさりと踏み越えてしまう。我々の誰のなかにも真っ赤な血と肉はあり、恐怖と狂気はわだかまっている。そんなことを思いながら飲める物語。
正に、血と肉の、猟奇的な話である。しかしながら、文章力が半端ないです。この文章力で、この内容。文句の付けようが無いです。是非、一読、あれ。暑い日には、ピッタリの小説です。