第47話 コンパでの嫌な記憶の数々

若い時、主に二十代の頃にロクな思い出がない。

その中でも、すごく頭にくるのは大学時代のコンパでの数々の出来事だ。


名古屋の大学に通っていた頃、私は同級生の坂本にコンパによく誘われたんだが、そういった頭に来る出来事は主にこいつに誘われた飲み会で起こっていた。

まず坂本は普段から私が彼女いない歴=年齢であることをバカにしていた奴で、今から考えたらそんな奴の開くコンパなんぞに行くべきではなかった。

だがその反面「お前もそろそろ彼女作らなきゃな」とか言って、それに協力するようなことを匂わせるんだから、毎回行ってしまう。

私も彼女がどうしても欲しい時代だったからな。


しかし、いざ参加してみてすぐに来るんじゃなかったって思ったことが多かった。

何が嫌かって、坂本は女好きでそこそこしゃべりもうまく女の子との会話も弾むことが多いんだが、しょっちゅう私をダシにしやがるんだ。

いじるのはいいんだが、私を生かすんじゃなく殺してウケをとっている。

私がいかに人間離れした気持ち悪い奴で、それにまつわるエピソードを捏造してまで語って笑いをとったりするのだ。

一日四回センズリこいたことあるとか、ドブネズミ食ったことあるとか。

実際は一日三回までしかないし、ネズミを食ったのは中国で食用の竹ネズミを食ったという話をしたのを広げていたのだ。


この野郎が私を毎回誘ってたのはこのためだったと考えられる。

変なのがいたら自分が引き立つからな。


だから女どもはドン引きし、私が話しかけたりしようものなら本気でひきつった顔をする結果となる。

お前だって負けず劣らず気持ち悪い顔だろっての!


女も女だ。

どの階層のどのグループが来るかによるんだが、グループによっては本当に質の悪い奴らがいた。

最高にムカついたのは生活雑貨店の『ロフト』の店員のグループだ。

全員見事にこれまでで最悪のブスだったまでは許そう。

許せないのは坂本が何も言ってないのに私を一目見るなり露骨に嫌っていたからだ。

最初に話した角刈りみたいな短髪はガン無視しやがったし、二人目の人面大福は他の女に「代わって代わって」と必死になって頼むし、他のもそんな気がしたから私は一人で飲む羽目になった。

そのくせこちら側のイケメンだった池田と話すと顔色がパッと明るくなって楽しそうに話すんだからムカつく。

その落差があまりにもあからさまで、これが一番最悪のコンパだった。


それとブスに気味悪がられるとムカつくだけだが、本当に可愛い子に気味悪がられると滅茶苦茶へこむ。

彼女にするなんて恐れ多いことは全く考えていなくって、こっちは話ができれば儲けものって思ってるだけなんだけどな。


まあブスでも何でもいいさ。

学生生活後半の方では、こっちはちゃんと相手してくれて楽しく飲めればそれでいいって考えて来るようになっていた。

だが、どういうわけか参加した女全員にエンガチョされて気分が悪い思いをしたことが結構多い。


行かなきゃよかったんだろうか?

次こそは、と思って行っても同じような結末を迎えてたものだ。

私は女性に話しかけられなくなってしまった。


そのくせ支払いは慣例通り男であるこっちの方がいつも多いんだから腹が立たずにいられるだろうか?

こっちは最低限の紳士ルールに従って金を多く払ってもいいんだから、お前ら女側も淑女ルールを守って過剰な侮辱をやめろ。


最後に、コンパでムカついている若者がもし本稿を読んでいたら覚えておいて欲しい。

二回か三回くらい私は言われたことがあるんだが、頭の悪い女が男である自分を侮辱する時にこういうことを言ってくるかもしれない。


「世界で男がアンタ一人になっても、私はアンタが嫌!」と。


そうしたらこう言ってやれ。


「地球で男がオレ一人になったら、オメーなんか相手にしねえよ!!」









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