第13話 手先が不器用~ゴミハンドがもたらす不愉快と苦悩~
世渡りも下手だが、手先も不器用で死にたいレベルだ。
「手がない」より「手がある」だけましなんだろうが、私の手先のパフォーマンスの悪さに昔からいらだち苦しめられてきたのは事実である。
プラモデルをまともに作れたことがないし、ゲームだって下手。
図工とかは当然苦手で、中学の時は技術・家庭科の成績は1だった。
習字を何年間もやったのにいまだに字は下手で、自分のメモが自分自身でも解読不能なレベルである。
同じくそろばんも何年か行かされたのにパチパチとスムーズに打てることはなく、キーボードを打たせてもブラインドタッチがいまだにできない。
訓練でできるようになるって?
簡単に言わないでほしい。
できないものはできないのだ。
不器用が訓練したってたかが知れてるのは、小学校時代あれほどやり込んだファミコンゲームの『スターソルジャー』や大学時代にゲームセンターで何万円もつぎ込んだ『バーチャファイター2』の腕前が仲間内で最下位だったことが証明している。
おそらく字やキーボードだって同じだろう。
自分の努力不足以前に私の体は頭のてっぺんから足のつま先までどうも昔から思うように動いてくれていないのは確実だ。
他人と比べるとパフォーマンスが確実に劣るばかりか、必要な水準にすら達していない。
ADHDとの因果関係は不明だが、何らかの関係はあるのだろうか?
不器用な手先は社会生活を快適に送る上でも大いに支障をきたしているから私にとっては笑い事ではない。
バカにされるだけではなく、キーを速く打てないことによって選考に落ちたりしたことがあるし、その他手先の器用さを求められる職場ではもろ不適格と判断されて職を失ったことだってあるんだ。
身の程を知って不器用なら不器用なりの仕事に就けばよいのだろうが、それは将来を制限された人生を強いられるってことだから生きていて楽しいわけがないだろう。
私にとって不器用な手先は快適に生きる権利を奪っているものの一つなのだ。
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