主人公くんとメインヒロインちゃんが甘酸っぱい恋愛してる裏でサブヒロインちゃんが無残に○される話
人物紹介
星川 誠也(ほしかわ せいや):
主人公くん。18歳 高校2年の12月頃異世界召喚される。
魔力を斬撃にして飛ばす能力持ち。地味だが本人の努力で召喚から1年経った現在かなり強くなってる。日本にいた頃からメインヒロインちゃんに憧れまじりに恋心を抱いていた。
天道 真姫奈(てんどう まきな):
メインヒロインちゃん。18歳 主人公くんと共に異世界に召喚された1人。
自身を含む味方の身体強化、魔力出力増強、怪我の治癒、解毒、解呪などなどバッファー兼ヒーラーとして大抵の事はできる役職:聖女みたいな能力。
主人公くんとは高校2年から同じクラス。生徒会長を務め文武両道才色兼備の高嶺の花。異世界に来てから少しずつ主人公くんに惹かれていく。
保科 由紀(ほしな ゆき):
サブヒロインちゃん。18歳 主人公くんと共に異世界に召喚された1人。
眼鏡っ娘。実は見るだけで相手を弱体化させる魔眼持ちだがレンズ越しだと発動しないため最近まで無能力だと思い込んでいた。大抵の事はすぐ人並みにできる様になるが、それ以上は上達しない器用貧乏。短剣、槍、弓、魔法を使い分けて戦う魔法戦士スタイル。秀でた一芸が無い分を手札の多さでカバーしようと様々な戦法を学んできた努力家。
主人公くんとは中学1年から5年間同じクラス。中学時代から片思いしているが引っ込み思案な性格のせいで未だ好意を伝えられていない。
クラスの女子の可愛さランキングでは「特筆して可愛い訳でもブスな訳でも無いから話題に上がらず最終的に真ん中に入れとこう」という理由で11位(女子20人のクラス)。ちなみに主人公くんはメインヒロインちゃんに投票し、メインヒロインちゃんは不動の1位。
アルテミシア・アースガルド:
作中世界最強の剣士。26歳 主人公くん達が召喚された異世界において最強の存在。細身の両手剣に雷を纏わせて戦う魔法剣士。元は亡国の騎士だったが現在はフリーランスの傭兵で有り、依頼次第でどんな戦場にも赴くために『霹靂』の二つ名で呼ばれている。
過去、主君である王子と彼の最愛の婚約者である友人(貴族学校の同級生)を力及ばず目の前で失っている。その後悔から地獄の様な鍛錬を己に課し今の最強の地位に上り詰めた。また主君を失った際、敵兵に囚われ純潔を散らしている。
以下本編(という名の書きたいシーン)
全身に魔力を漲らせた渾身の刺突があっさりと空を切る。王宮の近衛騎士相手にも通用した私の一撃は、しかし目の前の化け物には通じない。
避けられた、私がそう認識した瞬間には雷を纏った反撃が襲いくる。無造作な、おそらくは手加減された横薙ぎの斬撃を必死に後ろに飛んで回避する。
ザシュッ!
腹から血が吹き出すと同時に私の全身は感電したかの様に痙攣する。いや、したかの様では無い。剣に
そして、その一瞬は、彼女の前では致命的な隙となる。
大上段に構えられた長剣が目にも止まらぬ速さで振り下ろされる。瞬間、切先からまるでビームの様に莫大な電流が迸った。
目を焼く閃光、耳を裂く轟音。天変地異そのものと言える雷撃が私を襲う。
「かっ・・・・・・はぁっ」
あまりの衝撃に肺の中の空気を全て押し出された私は息苦しさに喘ぐ。
危なかった。彼女と対峙した時点で施していた雷避けの魔法──自身の周囲に避雷針を作り、地面に雷撃を誘導する魔法──がなければ今の攻撃で私は消し炭になっていた。
それでも槍は折れ、鎧は砕かれてしまったが。
「驚きました。私の天穿撃を防いだのは貴女で5人目です」
これまで一度も口を開かなかった彼女──アルテミシア・アースガルドがそんな称賛を口にする。
世界最強の名を欲しいままにする彼女に褒められるのは悪い気はしないが、続く言葉に私は自分が青ざめるのを感じた。
「小娘と侮った事を詫びましょう。そして我が全霊を持って貴女を屠ります」
その言葉を皮切りに、剣にのみ纏わせていた雷光がアルテミシアの腕、身体、脚へと広がっていく。
刀剣だけじゃない、全身への
最早それは雷を纏うどころの話ではない。自分自身を雷そのものと化す絶技。僅かでも魔力制御を誤ればそのまま塵と果てる正に神業。
(あぁ・・・・・・これ、無理だ)
通常状態ですら私は彼女の剣戟を視認できないのだ。次の瞬間にも私は斬り殺されている。というより斬り殺された事にすら私は気付けないだろう。
でも、それでも・・・・・・!!
彼なら、星川くんなら諦めたりはしない!!
「やあああああッッッ!!」
裂帛の気合いと共に私は全身の魔力を練り上げる。アルテミシアの攻撃を迎え撃つ──ためではなく、その先の勝利を掴むために!
「ッッッ!!!」
叫ぶ私と対照的に無言で、アルテミシアは剣を振り下ろす。
天穿撃──先程の一撃とは打って変わった静かな一撃。
それはただ1人を斬る事に特化した一撃。人1人を斬るのに大仰な雷光は不要。ただ渾身の魔力を剣に込めて斬るのみ。
そう言うかのような斬撃は私の体を真っ二つに切り裂く。
左肩から右の腰へ袈裟斬りにされた私は重力に引かれて倒れ込む。切り離されて感覚のない膝が地面につく間際、私は跳んだ!
「!?」
初めて驚愕の表情を見せるアルテミシア目掛けて私は短剣を引き抜く。弓を折られ槍も砕かれた私の最後の武器──
「その執念、見事」
そんなアルテミシアの台詞と剣を鞘に納める音を私は地に伏して聞いた。
何が起きた?私は今何をされた?
考えるまでもない。私の奇襲──斬撃によって致命傷を受けた直後、勝負はついたと彼女が気を緩める瞬間を狙った捨て身の不意打ちはしかし、彼女に蹴り飛ばされたことで失敗に終わったのだ。
振り下ろした剣を戻すのは間に合わないと判断したアルテミシアは瞬時に柄から手を離し、仰け反る様にして短剣を回避。そのままオーバーヘッドシュートの様に私を地面に蹴り落としたのだ。
(あぁ・・・・・・嫌だ)
走馬灯の様に現状を分析する間にも私の体の感覚は消えていく。
(死にたくない)
まだ、星川くんに、好きって言えてない。
彼と、天道さん──一緒に召喚されたもう1人の女の子──は今頃一緒の任務についているはずだ。
2人で困難に立ち向かい、その絆を深めているかもしれない。
(嫌だ)
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
天道さんが星川くんに惹かれているのは気付いてる!
私じゃ何一つ天道さんに勝てっこないことも!
星川くんが天道さんのこと好きなのも分かってる!
でも、それでも!
私の方が先に好きになったんだ!
叶わない恋だとしても・・・・・・
「告・・・・・・白も、せずに・・・・・・終わりたく、無い・・・・・・!」
息も絶え絶えに私は目の前の化け物を睨みつける。先程蹴り飛ばされた時に眼鏡を無くした裸眼で、彼女を射殺す様に。
「ほう」
けれど、そんな事に意味はない。下半身を無くした私には、生きながらえる手段は無く。
薄れゆく意識の中で、私は真の絶望を思い知った。
「面白い魔眼を持っているな、それは、戦利品として持ち帰ろう」
やめてください。それだけは。
私の能力で、彼らを傷つけることだけは、どうか・・・・・・・・・・・・
「恨むなら、己の弱さを恨めよ」
性癖のままにシーンだけ書く奴 @miKe-takashi
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