焼いた煙

釣ール

結末の後日談

 煙を見るとどうしても先の未来を想像してしまう。

 幽霊が半透明って設定もクラゲをモチーフに考えられたのかもしれない。


 人間が創り出した地獄と呼ばれる世界や海をただようクラゲの芸術性による不気味さがこの世のものではないと、あまり他の生命体に興味がない人達が思ったのでしょう。


 といってもこの話は書き手であるわたしの個人的感想に過ぎない。


 同じことを煙にたいして考える。

 何かが燃えた後の現実が煙。


 本来なら灯火ともしびが消えたら、その後は土に住む小動物や微生物が分解してくれるはずだった。


 生きて稼ぐ金額よりも高い金を灯火が消えた後に誰かが支払って煙にする。


 煙を見たらとっさに避けようとしてしまう。

 苦しみぬいた結末も理想とされる誰もが望んだ結末も、全て人間が焚いた火によって煙になる。


 ゆっくりさせてくれないし、この世が最悪であることは変わらないまま煙となって誰かの呼吸として空気になってしまう。


 怖い現実が煙。

 そうなる前にペンキで落書きされた自分達の認識をはがして本来シンプルな生きることを明確にするために怪談としてのこす。


 手記みたいな話になってしまったのなら自分が考える怪談の認識そのものが新しくなく他人の言葉と経験をマネているだけかもしれない。


 え?

 それは怖い!

 そして辛い!


 煙を見るのが嫌だったけれど、本当はちゃんと見た方がいいのかもしれない。


 なぜなら、それは当然の儀式ではないから。

 そこに能力も才能も何もかも関係はない。


 煙が怖い。

 慣れることと乗り越えることは違う。


 この感覚と感情からどんな恐怖が見えたのだろうか?


 だが追求するのは違うと今は考える。

 もう現実の恐ろしさは見せられてしまった。

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焼いた煙 釣ール @pixixy1O

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