夏の途中

幕間Ⅱ

 どんな恋愛小説も、必ずハッピーエンドだと思っていた。


 好きな人と、両想いになって、幸せになれる。

 自分が幸せになって、みんなも幸せになれる。


 そう信じて疑わなかった。


 でも、違った。


 運命の恋?運命の出会い?


 知らない。

 そんなの、私とは無縁だから。

 だから。

 


 ――私の恋に、ハッピーエンドはない。



 そう知った今なら諦められると思っていた。


 でも、無意識に君の姿を追ってしまうほど、


 君と一緒にいたいと思ってしまうほど、



 そんなつまらない『運命』という言葉を信じたくなるほど――。



 ――私は君に、惹かれていたんだね。




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