語り継ぐこと。

くま既知

第1話 続けるほど身につく本物へのあこがれ。

かの手塚治虫先生は悩まれていた赤塚不二夫先生に

「一流の本を読んで、一流の映画を観なさい。それが答えだよ。」

と、言われたそうです。細かいところは間違っているかもしれませんが。


今の時代、星の数ほどコンテンツ産業は盛り上がり、推し活が生活の基盤になっている人もいる。実に健全だと思います。


酒で身を亡ぼしたり異性関係で人間性を滅茶苦茶にする人なんかに比べたら天子様みたいなものです。


私は酒もたばこも好きですが、何よりも映画が好きです。見ることも語ることも好き、2006年から某サイトでずっと劇場含めて観た映画の感想を書いてます。一方通行なので役に立ったという人の数でしか成果を得られませんがそれでいいと思ってます。


たまに、この感想がそんなにバズるのかと思うと嬉しかったり、渾身の気合を込めて書いたものが全然反応がなくてもほとんど気にしません。

人の尺度は違って当たり前だからです。どうしても配信映画をファストで観る人もそれ自体に何の違法性もないし時間は有限ですから。

私だってレンタルしたDVDをまともに見る気がなくて早送りで観た経験も一度や二度ではないです。


誰かの名作は誰かの駄作、そんなものだと思うし、だからこそこの作品をどう思いますか?と話の合う人と延々と喋るのが楽しくてたまらない。


お気に入りの批評家さんと完全に一致することはないですがやはり、好きな傾向が似ている方の文章はためになるし、大体紙の雑誌で書ける人は実績とコネががあるからであってアマチュアが書けるようなことはかかないですもんね。


だから私の中の贔屓している批評家さんが褒めているととりあえずみて、今回は合わなかったというのもしょっちゅう。そんなものでしょ?


この人の物の見方こそが正義で他は排除せねばならないなんて暴力的すぎます。


一個人、団体の名誉や人格を傷つけない限り基本的には自己責任で好きに書いていいはずです。


だから私はかつて住んでいた福岡でやたら試写会が当たりまくってかなり公開前にレビューを書きましたが金払ってない映画は基本的にあんまり批判しなかったですね。


私ごときが書く立場にないと思ったしそもそも一個人が映画の興行に影響を与えることはないですが、映画が好きだからやはり、そこは愛をもってレビューをなるべくするべきだと思ってます。


既に公開中で明らかにレビューが多い場合は多少あまのじゃく的に書くこともありますけどね。人間だから。


とにかく、人により見ている所が違い過ぎるからそこがとても面白い。

この作品こそ至高と書く人がいれば観るんじゃなかったと書く人もいる。そこの振れ幅が面白い。


日本は大勢で映画を観ても具体的にあれが面白かったあそこのカットがどうだったとかあんまり語り合わない傾向が昔からあります。芸術系の学生は別ですけどね。


面白かった?面白かったよ。そんな感じで会話を進めることがいまだに多く、ヨーロッパなんかみたいに映画を観た後に友人でも家族でも恋人でも延々とカフェで映画談議に咲くというのはあまり日本では見られない。


だからこそネット上でのやり取りが対象が決まっていると結構盛り上がるとは思います。


かつて某SNSでお互い匿名でやり取りしたことがありますが凄く面白かった。お互い喧嘩腰になることはなくとにかく掘り下げる、とことん映画を。


映画を観るという行為自体が映画館か、配信か、レンタルか、地上波かなんてそれを気にする時代ではもうなく見た経験を共有するにはやはりネットは便利です。


それでも、紙の書籍の批評や文化人のたったの一言なんかも影響を受けやすい。


どのようなコンテンツも水ものですから、批評も評価も常に変化する。10年前の中ヒット作が今や名作、なんてよくあることです。


時代がそうさせるというのもある。だから、語り継ぐことは面白い。


そうやって今日も誰かのレビューを探す私です。読んでくださりありがとうございました。


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