第3話 眼鏡ヒロインはかぐや姫⁉︎③

「——なので次の満月の日、つきからのししゃががやってきます。」

「ワシの輝夜を貰いたい者は月にもおるんじゃのぉ。どうじゃ、帝。」

「私がこの輝夜を幸せにするのです。それを月の輩などに易々と奪われてたまるもんですか。」

今の帝のセリフめっちゃドキドキしましたね!本当に好きになっちゃいます、今でも十分好きですが!

「輝夜はどうなのですか。私の元へ来ますか。それとも本当にお帰りになられるのですか。」

「私は——」


——八月の満月の日

「やはりダメです、おじいさん。つきからのししゃは絶対です。」

「なぜじゃ……なぜあんな大きな物が浮いているんじゃ……」

「輝夜、あなたは本当に行ってしまわれるのですね。あなたともう一度会える方法はないのですか。」

「私と……もう一度……(え、え、え?も、もう一度?ど、どうするんだっけ……て、手紙と……蓬莱?不老不死の薬だっけ。)私はつきへと帰ってしまいます。可能性があるかは分かりませんが、こちらの蓬莱を差し上げます。これは不老不死の薬です。」

「それを飲めば輝夜にまた会えるのですか?」

「(わ、わ、私は現代から来たんだし⁉︎き、きっと会えるのよね⁉︎)千年と少しした頃に会えるかもしれんな。確実ではないが。」

だんだん私の自我は輝夜のものへと戻っていく感覚に襲われた。

「そうですか……では、××××××」

帝は何かを言って笑った。私は帝の笑顔を見て、安心したんだ。

そこで私の記憶は途切れた。







「——月!葉月!聞こえてる⁉︎葉月!」

「ん、ん……こ、ここは……?それに……お母さん?」

「えぇ、そうよ……あなたは学校の爆発で病院に運ばれたの。意識がなくて生死の狭間を彷徨っていたのよ。」

「あれ……?帝……は?」

「帝?誰のことかしら。本の話じゃないの?」

「そ、そうよね。私夢を見ていたの。聞いてくれる?」

「ええ。どんなの話かしら。」

「それはね——」

いっぱい話すんだ。かぐや姫の本当の気持ちを。帝と輝夜は本当に愛していたことを。そして、輝夜は実はこんなにも可愛い丸眼鏡を掛けていたことを。


——???視点——

出会ってから約千五百年。私は探し続けたのだ。その相手が今、見つかった。

「こんな所にいたのか……輝夜……君の眼鏡は千年経っても美しいな。」

                                   Fin

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現代少女タイムスリップ物語 能依 小豆 @azukiman

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