最終話:屋根の上のポワレ。

※注:この最終話は地震や津波の話が出てきますから、嫌なことや嫌なこと

を思い出す人、気分を害する人は読まないでください。

読んだあとでクレームを言われてもお応えでみませんので、自己責任でお願い

します。

これはあくまで作り事ですし小説です。



ある日のこと。

お天気のいい日中・・・海も穏やか、空気も新鮮いたって平和な日だった。


でも平和とは、うらはらにそれは突然起こった。


その時、僕は会社にいて作業中だった。

突然スマホの警戒アラームが一斉に鳴った・・・と思うとどうじに工房がゆさゆさ

揺れた。


あ、地震かって思った。

日常的に小規模な地震は起きていたので、またかと思った。

だけど、違った・・・揺れはいきなり来た。

立ってられないくらいの激しい揺れに変わった。


みんな作業台や机の下に隠れたけど、揺れはどんどん酷なって来て、しゃがん

でいても体が大きく揺れた。

どのくらいの震度があるのか分からなかったけど、凄まじい地震の揺れが襲って

ることは確かだった。


胸がドキドキしていた。

すぐに揺れは収まるだろうからとタカをくくっていたら長い間揺れた。


かなりの時間、大きな揺れになんとか耐えた。

こんな経験ははじめてだった。


頭に浮かんだことは両親とポワレのこと。

地震が収まったと同時に僕は外に飛び出していた。

スマホからの情報だと、この地震の最大震度はマグニチュード8.0ってことだった。


そしてすぐに津波警報がでた、

港町だから、津波なんか来たら、ひとたまりもない。

漁師は死活問題。

地震の影響で道路は遮断されているし、混乱してるから車は通れない。


僕は会社のスーパーカブを借りて、すぐに家に向かった。

みんな、高いところに逃げてて欲しい・・・そう願いながら、目一杯アクセルを

ひねっていた。


津波が来る前に家に、なんとかたどり着いた。

自分のことより家族のことが心配だった。

慌てて、土足のまま家に上がって、声をかけたが家の中はもぬけの殻だった。


親父も母さんも避難したのか?

ポワレは?・・・ポワレもふたりと一緒に逃げたのかな?


僕は海の様子を見たくて屋根の上に上がった。

そしたら、、あれま・・・屋根の上にポワレがいた。


「ポワレ・・・なんやってんの?・・・・早く逃げないと」


「パパさんとママさんは高台に逃げたから・・・大丈夫と思う」


「じゃ〜ポワレも逃げなきゃ」


「私はここで、おっきな津波を食い止めるから・・・」

「かごめちゃんは私が守るからね」


「何、言ってんの・・・そんなことできる訳ないだろ?」

「いくらポワレが魔法使いでも、津波を止めるなんてそんなこと無理だって」

「自然には勝てないよ」


「大丈夫だよ・・・いっぱいご飯食べてるから魔法パワーマックスになってるから」

「じゃあ行ってくるね」


そう言うとポワレは海岸の向かって飛んで行った。

そして灯台の頂上に降り立つ姿がここから見えた。


小さく見えるポエワレは両手を上に掲げると腕を前に向けて静止した。


すると屋根の上から海の向こうにすげえ馬鹿でかい津波がやってくるのが見えた。


ポワレはピクリとも動かないまま灯台の頂上にいた。


津波はすぐそこまで迫って来たと思ったら、なにか壁にでもぶつかったように

波しぶきを高々とあげた・・・で、そこで勢いが止まった。

今にも港を飲みこみそうになっていた津波の動きが止まったのだ。


「うそ〜・・・津波が止まってる・・・まじで?」


ポワレは一気にパワーを込めて、何かを押しやるような動きをした。

すると、そこまで来ていた津波が海のほうに徐々に引いていった。

引き潮の時の海のようにザ〜〜〜っと音を立てて引いていった。


こんなことってあるのか?

ポワレは港とこの町を、魔法で救ったののか?。


普段、ポワレの魔法をお目にすることは滅多になかっただけに、今回の津波を

止めた魔法は最強の魔法って言えた。


地震には見舞われたから、被害はあった。

多数、家が崩壊したが津波に飲み込まれて犠牲になった人はひとりもいなかった。


僕たちは、この港も町もひとりの魔法使いによって救われた。

気象庁もどうして津波が引いていったかは理解できず首をかしげるしかなかった。


科学じゃ解明できない出来事だからね。


周りの状況が落ち着きを見せると高台に避難していた人たちも両親も無事に

降りてきた。

僕たちは無事だったことを喜び合った。


すごいよね、ポワレ・・・その小さな体のどこにあんな強大な魔法のパワーが

潜んでるんだろう。

あんなすごいことをやって退けたポワレ、大丈夫かと心配したけど何事もなかった

ように・・・夕方、彼女は屋根の上でいつものように夕日を眺めていた。


魔法使いは魔法の便利さに頼ったり横着したら堕落しちゃうらしいけど今回の

場合は例外だね、ポワレ。

たくさんの人たちを救ったんだから・・・。


第1章、おしまいです。


第に章でポワレの過去も明らかになっていきます。(=^x^=)






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屋根の上のポワレ。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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