別れ

別れ

出会いと別れ。

これは表裏一体の関係だ。必ず誰しもが経験し、いつか訪れる。

だが、受け入れがたい別れもある。

なんで、なんでなの？

その日は高校の卒業式だった。

友人との別れを惜しむ人や高校生活の思い出にふける人がいた。

そんな中、

ドクシャ！

大きな音が鳴り響く。

今まで聞いたことがない音だった。

皆が外を見る。

そこには、制服を着た人がいた。

制服からして男性だと思う。

なぜ濁したかというと、顔がグシャグシャになっており、性別はどっちなのか、誰が落ちたかなどは判別できなかったからだ。

男性教師５，６人くらいがその人に駆け寄る。

その中の一人が胸ポケットに何か入っていることに気づき取り出した。

学生証だろう。

そして、その教師は、夫婦と思わしき方々のところへ行った。

あの人たちは……。

太一の両親！？

えっ？

もしかして、落ちたのって太一なの？

太一とは小学校から一緒で常に一緒だったのに。

なんで、なんでなの？

男性教師がこっちに向かってくる。

おーい、明日香。こっちに来てくれ。

太一と幼馴染ということもあるのだろう。

私はすぐに向かった。

どうしたんですか。

少し酷かもしれないが、一応明日香にも言っておこうと思ってな。

この落ちたやつ、太一なんだよ。

やっぱりそうだったんですね。

あぁ。あまり落ち込むなよ。

男性教師は警察に連絡するからと言って去っていった。

私は心の中で思った。

なんで今なのよ！