過去から置かれた手紙

手紙

　未来から届く手紙にろくな話がないのは誰しもが経験があると思います。

　何故なら、今辛い状況の自分が未来の辛い自分へ送ることを前提としていないから。

　過去が全くないと言っていた自分に届いた過去からの手紙。

　生霊（いきりょう）の置き手紙だ。

『都会がいいと適当な地方都市で住処をみつけようとしたら交差点で轢き殺された。』

　予言じゃない。

　過去の置き手紙だ。

　これからって時に自分は死ぬらしい。

　回避したはずの未来なのに過去から手紙が届いた。

　今はもう別の場所で暮らしている。

　知らない誰かの声は聞かなくて済んだが、過去の自分がイタズラに手紙を送ってくる。

　おいおい。

　お前は一体誰なんだ？