メガ・メガマックス・メガトン・メガネ
清泪(せいな)
メガネは希望、未来、そして──
西暦と数えられなくなって幾数年と経った未来。
多言語で書かれた巨大なネオン看板が夜空を照らし、人々が高層ビルの谷間を行き交う都市の一角。
眩いネオン光から逃れるようにビルとビルの狭間、路地裏のその奥でひっそりと経営されるメガネ店『メガネイチバ』。
科学技術やら医療技術やらが発展した世界において、メガネなど不要の物であった。
視力を補うものとして、光を遮るものとして、色を把握させるものとして、などの面に対して医療技術の発展は直接眼球に補完を施す処理に辿り着いた。
仮想現実やら拡張現実やら人の見える世界を広げる機能をウェアラブル端末として担っていたメガネだが、それは腕時計型端末に役目を譲ることになった。
メガネはファッションの一部でしか無くなり、やがてそれも繰り返されるブームでしか見ることの無くなっていき、そしてブームすら起きなくなっていった。
『メガネイチバ』の店主、イチバ・ダテはそうしてメガネが旧時代のロストテクノロジーとなった後の世代で、国立中央図書館のアーカイブデータでたまたま見てメガネのことを知ったクチであった。
それからメガネというものに憧れて、メガネを自分で作るようになった。
色々なメガネを作っていくうちに、よりメガネ作りに没頭したいという気持ちで同じアンティークファンであるメガネ好きに自分の作ったメガネを売る商売を始めた。
ある日、不審な男が店に現れる。
彼の名前はカイで、彼もまた古き良き時代のファンだった。
しかし、彼が求めるのは普通のメガネではなかった。
彼は伝説のメガネ、"ばーちゃるぼーい"を探していると言う。
イチバは興味津々でカイの話を聞く。
ばーちゃるぼーいは、かつてビデオゲームの黎明期にプレイヤーに未知の世界を見せるために作られた逸品だった。
しかし、その存在は伝説となり、多くの人々がそれを探し求めたが見つけられなかった。
カイはばーちゃるぼーいを見つける手がかりを持っており、イチバを説得して彼の冒険に同行させる。
イチバ達はカイの持ち込んだ情報により廃墟となった古いアーケードゲームセンターを訪れ、そこで過去の遺物を探し始める。
しかし、彼らが探し求めるものはただのメガネではなかった。
ばーちゃるぼーいは、失われた未知の世界を見せるだけでなく、その力を悪用すれば現実世界にも影響を及ぼす恐るべき兵器だったのだ。
イチバ達は過去の秘密を追い求める中で、次第に危険な勢力に追われる身となる。
古いテクノロジーが新たなる力を生む中、イチバとカイは過去と未来の狭間で戦いを繰り広げる。
最終的に、イチバ達はばーちゃるぼーいを見つけ出すが、その力を封印する方法を見つけることはできなかった。
イチバ達は自らの手でそれを破壊することを決意するが、それが彼らの運命を決定づける瞬間でもあった。
イチバ達がばーちゃるぼーいを破壊すると、街の周りに静寂が広がった。
カイは微笑み、イチバに手を差し伸べた。
「未来は私たちの手にあります」
彼らは新たなる冒険のため、手を取り合い、メガシティの闇に身を投じた。
そして、彼らの物語は伝説となり、未来の世代がその名を囁くようになった。
イチバとカイが手にしたのは、ただのメガネではなく、新たなる未来への鍵であった。
メガ・メガマックス・メガトン・メガネ 清泪(せいな) @seina35
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