第24話 テストで目立ったら殺されそうです

「私ね、、、向日葵かれんなの!」


俺は呆気に取られていた。

えぇ、確かに同じ学校だったらいいなーとは言ったけれども!言ったけれども!ほんとにそうなるとは思わないじゃんか!


「えーと、マジなやつ?」

「冗談でこんなことは言いません!」


えー、一応冗談の線も信じてたんだけどな。もう完全に確定しちゃったじゃん。


「、、、」


どうしよう。どんな反応してあげるのが正解かわからん。ずっと応援してた?とかかな?って、なんでこの子泣き始めちゃってんの?


「え、え、え、どうした?」

「私ってそんなにかれんの時と違いますか?」

「え?顔は違うと思うけど、、、?」

「違います!中身の話です!」


ああ、そっちか。ってまじで泣いてるじゃん!俺、次言うこと間違えたら確実にクラスで地位を失うと思う。うん、そう思う。


「えーと、優しいとことかは同じだと思うぞ?」


よっし、決まった!これならセーフだろう!


「、、、」


え?やっぱ違った?


「ほんとですか?」

「ほんとだよ」


俺がそう答えると、ぱぁっと笑顔になってくれた。うん、よかったよかった。これで俺の平穏な生活も守られた。


「、、、」

「、、、」


うーん、間が開くねー。


「では!」


ダッ


「、、、え?」


これだけの間を空けてから別れるのね。うーん、よくわかんない。やっぱり女子って難しいんだね。


「あ!いた!」

「?」


突如として響いたその声に、俺がくびをかしげながら振り返ると、そこには息を乱した鈴香がいた。


「お、鈴香じゃん。どした?」

「なんでそんなにのほほんとしてんの!?もう部活始まるんだけど!」

「え、、、」


まじかもうそんな時間になってたのか。おはなしに夢中で気づかなかった。


「ほら!いくよ!」

「えー」


こうして、俺は無理やり引っ張られつつ、体育館に強制連行されるのであった。




その日のミーティングにて。


「えー、明日からテスト1週間前になるので、部活は休みです!」


あ、完全に忘れてたよ。その悪夢の存在を。


「各自、勉強を精一杯がんばてください!」

「「「「はい!」」」」


やだなぁ、テストやだなぁ。

テストっていいところ、その前に部活が休みになってゲームしまくれることと、テスト休みが生まれることくらいしかいいことないじゃん!




そんなこんなで、テスト結果発表の日。

ん?ちゃんと勉強したかって?するわけないだろう!俺はいつだってノー勉だ!

そして、俺がテスト結果が張り出されているところを見にいくと、、、


「やっぱ、こうなるわな」


案の定騒がしい人の溜まり場と化していた。

まあ、俺は見なくても自分の点数と順位はわかるんだけど、春馬と鈴香のも見ておきたいじゃん?

ってなわけで、俺はその人の固まりに突っ込んでいった。



「で、こんな有様だと、」

「そうだよ!なんか悪いか!」

「いや悪くはないけども」


俺はなんとか二人の分とついでに自分の結果を見れたはいいものの、押しつぶされて、現在絶賛疲労困憊中だった。


「ってか、お前勉強できたんだな」

「そりゃあ少しくらいはできる」

「少しであんなことになったら、他のみんなが泣くぞ?」


はぁ、ちょっとそこら辺はよくわからない。中学の頃に頑張っておけば、満点くらい取れるだろ?


「あと、お前はその出席番号1番をどうにかしろ!どうにか!」

「、、、なんで?」

「お前が開始10分くらいで全部寝るせいで後ろは色々大変なんだよ!」

「おー、そっかー」

「絶対理解してないだろ!」


ありゃ、なぜバレた?ってか、別に寝たっていいだろう!睡眠は自由だ!


「ねぇ、雨宮君」

「?なに?」


突然後ろから話しかけられたことに驚くも、俺は落ち着いて返した。

今、こいつがゾンビだったら俺は死んでた自信がある。


「雨宮君って勉強すごいできるんだね!今度、教えてくれない?」

「、、、」


はて、どうするか?確か、澪がお兄ちゃんは私と結衣と鈴香ちゃんにしか教えちゃダメって言ってたな。ま、バレなきゃ犯罪じゃないって言うし大丈夫でs、、、

こわいこわい。そんな目で見ないでよ。鈴香さん?あのー、あなたのその美しいお顔が台無しになってますよ?


「ダメ、、、ですか?」


くっ、そんな上目遣いをされたら断れないじゃないか!


「わかった、今度教えてあg、ひっ!ごめんにゃさい!やっぴゃりみゅりでしゅ!」


怖すぎて思わず断ってしまった。悪いな、、、、誰だっけ?まあ、いいや。ってか怖すぎて超噛んだんだけど?


「わかった!気が変わったら言ってね!」

「おう」


殺気が止んだからちゃんと答えれた。さっきのはなんだったんだ?


「海斗」

「ひっ」


そのおそらくある女子から出されたであろう低い声はすごい怖かった。うん、女子が出していい声じゃないよね?ね?俺は恐る恐る振り返ったが、、、寸前でやめた。これ振り返ったら終わるやつだ。


「ねぇ、どうしたの?」

「、、、」


拝啓、澪と結衣へ

俺は今日死ぬかもしれません。


そう、心の中で呟き、俺は覚悟を決めて振り返った。







第24話です!

今週から学校があって、更新できませんでした!

これからは基本的に不定期になると思いますがご了承ください。

そんなでもいいよと思ってくださる方は是非読み続けていただけると嬉しいです。

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中学でベンチだった俺が高校で同じ部活に入ったら知らない間に学校で争奪戦が起きてました 柊星海 @comicwalk

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