たりない

おばけがでたよ

たりない

この目の奥でまた回り始めたとき

君はやさしい色をしていた

拭うだけの涙に 君のすべては浮かんでこない


ひとつ大切な私の、細い明滅、

ブレーカーは落ち、

灰を拾い上げるように 声や、ことばにしきれない

もろかった君のぜんぶ


おだやかに霞んでいく 星のように感じる

君のための歌はむなしかった 唄いかけて口は閉じた

光を欠くこの時間を、ずっと止めてやりたい

夢ではいつまでも長く いつまでも遠くにいるなよ




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たりない おばけがでたよ @obake-ke

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