【KAC20248】メガ?ギガ?テラ?

きんくま

メガ?ギガ?テラ?

不思議な物が売られていると噂のブラン商会。

そんなブラン商会の会長は友人と談笑していた。


種族も出身国も違う二人にはある共通点があった。


―異世界転生者


それぞれが生前に遊んでいたゲームのキャラクターに転生した。

今日は会長が友人宅に泊りにきているようだ。



「まだ時々ファミリーネームを最初に名乗りそうになるんだよねぇ」


「あ〜分かる。わたしは0歳からスタートだったけど、急に転生したら多分間違うわ」


会長たちの国の名前はファミリーネームが後にくる。

それはまだ転生して日の浅い会長には馴染まないものだった。



「苗字と言えば、前世でも名前と間違う苗字あったわよね」


「あったねぇ、後、学校で珍しい苗字はクラスに一人はいなかった?」


「いたいた~」


「僕のところだと、芽ヶ根さんっていたよ」


「メガネ? 珍しいわねぇ」


友人も興味を示したようだ。

会長は昔の話を続ける。



「女の人でさ、背もすっごく大きかったからメガねえって呼ばれて、ちょっと可哀想だった」


「メガサイズってこと? うわ…男子が言い出しそう…」


「そうなんだよ。でもね、一応オチはあるんだ」


会長は少しニヤっとしてオチを語り出す。



「一番いじってた男子が、寺田くんって人だったのさ」


「(察し…)テラ兄って呼ばれたの?」


「うん、でもその人、背が低かったからテラ兄(笑)って女子に呼ばれてた」


「自業自得ね、そもそも名前でいじるのは良くないわ」


「だよね~。さっきオチって言ったけど実はまだ続きがあるんだ」


普通なら芽ヶ根さんをいじった男子がカウンターを喰らった。

ここで話は終わりとなるがそうではなかった。



「芽ヶ根さんと寺田くん、後に結婚したんだよ」


「凸凹夫婦ってこと?」


「それが寺田くん、高校から急に背が伸びて名実共にテラ兄になったんだよ」


「芽ヶ根さんは?」


「大きいまま。同級生にはギガを飛ばしてテラになったって、からかわれてた」



なにそれ、とケラケラ笑いながら二人の転生者の夜は更けていった。

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