あなたを輝かせたい

かねおりん

あなたを輝かせたい

わたしは生まれた時に親から「沢山の人を支えられるようになりなさい」と言われて、


沢山の人を支えるための魔法をかけられて、今もあなたの傍にいます。


昔のわたしは沢山の人を支えたくて頑張りましたが、


「重いよ・・・」と嫌われてしまったりして、寂しい思いもしてきました。


それでも、わたしはあなたに好きになってほしかったから、ダイエットをしてみたり、


お化粧をしてみたり、表情を色々変えてみたりとあなたの傍にいられるようにと磨いてもらいました。


最初にわたしを大切にしてくれたのはおじいちゃんとおばあちゃんでした。


とってもわたしを褒めてくれて、毎日お手伝いをさせてくれました。


わたしは生きがいを感じてとても嬉しくて、しょっちゅう涙を流していました。


「あれま、またこんなになって・・・」とおばあちゃんはわたしの涙を拭いてくれました。


そのうちわたしは小さな子供たちの元にも行くことがありました。


小さいながらもわたしを傍に居させてくれる本人は、「お前のせいで虐められるよ」とあまり嬉しそうにはしてくれませんでしたが、


その子が大きくなるにつれ、


時折「一緒にいると頭が良さそうに見えるみたい」とちょっと嬉しそうに言ってくれることがありました。


そういう子供たちの支えになれる魔法をわたしはちゃんと持っていました。


親に感謝です。親のくれた魔法のおかげでわたしは・・・わたしの夢なのでしょうか?


確かに親には「沢山の人を支えられるようになりなさい」と言われましたが・・・。


わたしの夢ではないのかもしれません。


では、わたしの夢は何だろうかと考えて、時には随分と誰からも嫌われて酔狂な人からしか必要とされない時期もありまして、


わたしはすっかりグレてしまって、親の求めていたわたしとは随分と違う姿になったりもしました。


若い人は一時期必ずちょっと悪そうな人を好きになってしまうように、わたしはグレてから若者に愛されるようになりました。


テレビや映画にも出演させてもらえるようになって、グレたわたしはずいぶんと人気が出ておかげさまで今でも沢山の人に愛されています。


そこで、わたしはグレているように見せて、心ではすっかり自分の夢が何なのか分かっていました。


それを親は見越していたのでしょう。そのための魔法も与えられていました。


わたしと一緒にいる人を輝かせる魔法。


わたしが生まれた時に親に与えられた魔法は、あなたを輝かせる魔法と、


あなたに見えない世界を見せる魔法だったのです。


だから、お願いです。どうかこれからも、あなたを支えて、あなたを輝かせるためにわたしをあなたの傍に居させてください。


嬉しくて涙を流してはあなたの視界を曇らせることもあるかもしれません。


そんな時は、おばあちゃんが拭いてくれたように、どうかわたしの涙を拭いてください。


わたしが拭いても拭いてもダメだなって時は、かなりわたしも疲れているので、


超音波浴をさせてください。


そうすればきっとまた、あなたに見えない世界を綺麗に見せる事ができるはずです。


今もあなたの傍にいるわたし・・・何も語らないかもしれないけれど、


わたしを選んでくれたあなたのことがとても大切で大好きです。


いつまでも、最期までも、あなたを輝かせたいわたしと一緒にいてください。


by あなたの眼鏡より


おしまい

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