【KAC20248】あの日あの時あの場所で【800字】

三毛猫みゃー

見た目は子ども、中身も子ども?

 これはまだ俺が学生だった頃の話だ。


 ある日俺はメガネケースを拾った。男子校で見るにしては可愛らしいピンク色のケースだった。


 悪いと思いながら開けてみると、どこにでもある普通の眼鏡だった。内側にも名前のたぐいはない。まあ男子校なわけで、こんな可愛らしいケースを持っていそうな人物は一人しか思いつかない。


 それは保険の養護教諭だ。通称マッド菜園ティストと呼ばれている。決してマッドサイエンティストではない、菜園だ。保健室にいない時はだいたい温室でなにかしている人物だ。


 保健室にいなかったので温室へ向かう。ふとめがねを取り出してみる。何の変哲もないめがねだ。試しにかけてみる、どうやら度は入っていないようで、これは伊達メガネというやつだ。


 めがねをかけたまま温室にたどり着いてしまった。入口から中を見てみるとマッド菜園ティストがいるようだ。


「あーーーそれ私のめがねーーー」


 温室内からそんな声が聞こえた。そこにいたのは見た目は小学生の菜園ちゃんだ。めがねをケースになおし差し出す。


「校内に落ちてましたよ、それにしても伊達だったんですね」


「そうだよ、めがねをかけていると大人っぽく見えるでしょ」


 めがねを掛けて、腰に手をやりながらえっへんと胸をそらしている。なんというかかわいいという言葉しか出てこない。


「掛けていたのはメッだけど、拾ってくれてありがとうね」


 なんとはなしに頭に手を乗せ撫でてしまう。


「ちょっとー、急に頭撫でるとかセクハラだよ」


「なんかすごく可愛かったのでつい」


「そ、そんな事言っても駄目ですからね。バツとして温室の管理を手伝ってもらいますからね」


 にぱっと可愛い笑顔を向けられたら、まあそういうことだ。この日から俺と菜園ちゃんは急速に仲を深めていき、俺が高校を卒業するまで続いた。


 その菜園ちゃんだが、まあ今の俺の奥さんである。

 ただ一つだけ言いたい、俺はロリコンではない、好きになった人がロリだっただけだと。

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