やさしさ

メモ帳に書いた具材であったり


時計に刻まれた数字であったり


この地球に存在する命だったり


一日を締めくくる夕日だったり


夜を照らしている星月だったり


滾滾と流れ出る地下水だったり


燃やされている枯れ草だったり


死なずに耐えている虫だったり


今では馬鹿らしい記憶だったり

忘れられない暗いものだったり


破られている家の障子だったり

毎日吠えてくるあの犬だったり


ただ飾られている絵画だったり

泣き疲れている子どもだったり


全く暗いままの未来であったり

それでもまた来る明日だったり


そういったやさしさが

私を取り囲んでいる

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無情な詩 瀬若葉 @sewakaba

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