第9話

続々と出る死者に夜月は違和感と焦りを感じていた。

寺田が亡くなった夜、夜月たちの部屋は言葉を交わさず、静かな夜を過ごした。



夜月は夢の中。

学校に登校する夢だった。

交通事故の現場を通り過ぎた時、足元に1枚の紙を見つけた。

紙には以下のように書いてあった。

エレン ナナ ハ アル 。

エレン、7はある?

エレン、(と)奈々はある?

どっちにしろ意味がわからない。エレンって誰?

エレン?ケレン?外連?ごまかし?(外連=ごまかし という意味です。)

そんなわけないよね。

でも、重要そう。

でも、誰かが落としたメモかもしれない。

私は拾わずにその場で暗記して歩いていく。

そして、教室に入ろうとした瞬間…

目が覚めた。

頭には呪文のように「エレン ナナ ハ アル」が唱えられていた。

ベッドから起きて、机のメモ帳の空いたページに書いてみる。

エレン ナナ ハ アル

女子寮生の瀬尾奈々(1話に出てきました)が関係ある?

だとしたらエレンって何?あるって何が?

ふと愛玲奈の名前が浮かんだ。

きっとえれんとえれなの[えれ]が重なったのだろう。

エレン ナナ ハ アル

並べ替えると…

3人の名前が浮かんだ。

エレナ アン ハルナ

愛玲奈

杏(あん・教師で第3話で死亡)

春菜(はるな・第8話で死亡)

亡くなった2人と愛玲奈の名前が並べてあったのだ。

これは、もしかしたら次は愛玲奈がなくなるという暗示なのではないか。

となると、愛玲奈は危険な目に遭う前ということになる。

今思えば、ベッドに愛怜奈がいないと思ったのも、たまたま愛玲奈が布団に潜ったりしてて見えなかっただけなのかもしれない。

どうしたら愛玲奈を守れるかな。

次の日の朝。

いつもよりも頭が重たく感じる。

重たいし、なんか頭が痛い。

体温計を手に取って体温を測ってみた。

38.6…

秋葉ちゃんが体調悪そうなのに気がついて声をかけてくれた。

「大丈夫?顔赤いよ?」

「…大丈夫…保健室行ってくる。」

寮の事務所に行って寮母さんに症状を伝え、保健室に行った。

もしかしたら愛玲奈ちゃん、今日何らかの原因で亡くなるかもしれない。

そう思うと心配で仕方がなかった。

最初は心配でソワソワしていたが次第に頭の重みと薬の効果で深い眠りに落ちていった。




ー 私はノア…私はノア…

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