第2話 時空を飛ぶ・卒業式から1825日

中3の卒業式ら5年の時間が過ぎる。高校も中学の時と変わらなく過ぎた。

あの日、人の色が見えるようになってから少しだけ人間社会で生きやすくなった。「たぶん。」

「そうだな。お前はたぶんレベルだ。」?あの時のてんとう虫が、時々気まぐれに現れる。生意気なてんとう虫をテンと呼んでいる。

「テン、今年も3月が来たぞ。お前は虫だろう、菜の花畑とかに帰らなくてもいいのか?」

「別にいいさ。こうして俺様は人間界に5年存在している。この人間世界は面白い。

タケルも人の色が見えて便利だろう。」

「まあな。そういえば、卒業式代表の峰岸に駅でばったり会ったんだ。声をかけようとしたが、全身青色で覆われていて、こわかった。病んでる気がして声をかけなかった。そのあと石田から聞いたんだけどさ、峰岸は浪人2年目だって。弱ってるときに同級生に声をかけられるのって嫌じゃないか。色が見えてよかったよ。」

「そうか。だがタケル、色を教えた俺様が言うのもおかしいが、時に、色に惑わされるな。」「色?惑わされる?」「今は、分からなくていい。」

「あと卒業式の日にテンが声かければって言ってた奴のこと覚えてる?」

「タケルが奴は色が無くて、声かけるの不自然だし嫌だっていった奴だろう。」

「今、同じ大学なんだ。しかも専攻も同じ。僕もいい加減変わっているけど、奴も人間嫌いで変わっている。が研究熱心だ。最近よく話すようになった。奴の色が黄色に見えるんだ。」

「本来の奴の性格が出てきたってことだな。たぶん、中3のあの時は奴にとってあの時間は色がないほど閉ざされた学校生活だったのかもしれないな。

人間嫌いで賢い子供のよくあることだ。タケルと合いそうな気がしていた。」

「そっか。」「そうだ。人間自身が持つ色は、時々変化する。しかし最終的にたどり着く色はその人間が持って生まれた色だ。峰岸もそのうちキラキラ色に戻るだろう。」

「だといいな。」

僕の色は黄色。子供の色だ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

色・卒業式の色 京極 道真   @mmmmm11111

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ