『おかあさんと呼んでいいですか ～記憶を失った少女は無自覚の絶対力で世界を守る～』は、異世界に迷い込んだ少女カレンが、見知らぬ地で「自分自身」を探しながらも、多くの出会いと別れを経験していく壮大な冒険ファンタジーです。

　彼女は力の恐怖に怯えながらも、仲間たちとの旅の中で少しずつ心を開き、失われた過去と未来を繋ぐ鍵を見つけていきます。特に、母を探すシャーリンとの友情や、陽気なウィルがもたらす安心感が心を温めます。信じられないほど純粋な瞳で、仲間たちと共に新たな絆を築いていくカレンの姿は、私たちが日々の中で探している「希望」そのものだ。

　戦乱の中に輝く人間の希望と絆が、詩的な描写と共に深く心に残り、次の展開が待ち遠しくなる一作。まるで旅路に寄り添う仲間になったかのような感覚が味わえます。