KAC7(エッセイ)私の絵の師匠

天城らん

KAC7(エッセイ)私の絵の師匠


 KAC7のお題は『色』

 ひらめいたお話があるのですが、締め切り期日までに書き上げられる自信がなかったので、とりあえずエッセイを書いて保険にして、KAC2024のコンプを目指したいと思いま~す。

(やっつけエッセイでごめんなさい💦)


   *


 お題は『色』ということですが、色と言うと思い浮かべるのが絵具です。

 私は文章を書くことだけでなく、絵を描くことも好きです。


 子供の頃はマンガ家になりたかったんです。

 友達の影響ですね。


 小学校4、5年生の頃にクラスのほぼ全員の女子がり「りぼん」や「なかよし」といった少女漫画雑誌を読んでいました。

 その人気漫画の絵の真似が上手な子が、漫画家になりたいと言っていたんです。

 その子は、漫画だけでなくアニメの絵も上手でした。

 私も、その漫画が大好きでその子と仲良くなりたくて、絵を描くのも好きだったので『私もマンガ家になる!』とイラストを描き始めました。


 絵とマンガのイラストはかなり違うんですね。

 目が大きくてキラキラした女の子が描けないといけない。

 だから、うつし紙(トレーシングペーパー)で好きな漫画を写したり、プラバンや透明下敷きにマジックで写したり。

 絵の基本は、漫画だけでなく絵画もそうかもしれませんが、模写することで習得するものかも知れません。


 日本ではあまり見られませんが、フランスやイタリアだと美術館で本物の絵画を模写している人などがいます。

 

   *


 そうして、漫画やイラストが少しずつうまくなってきた頃に、ひとりの図工の先生に出会いました。


 図工=図画工作の授業のことです。

 私が小学校の4、5年の頃のことだと思います。


 小学校は、大体なんでもクラス担任の先生が教えるものではありますが、その先生は図工の専任の先生でした。

 いつもニコニコというかニヤニヤと面白いことを考えているような男の先生で、あれはダメこれはダメとも言わない他の先生とは違う変わった先生でした。

 子供の頃は、先生と言うと自分の親よりも年上のおじさんおばさんというイメージだったのですが、その先生は少しやんちゃな雰囲気のせいか歳をとった人と印象は受けません。

 かと言って、お兄さんと言うほどでもなかったですが……。


 その図工の先生は、私が何を工作しても、絵を描いても褒めてくれました。

 他の子のももちろん褒めますが、とりわけ私の作品を褒めてくれましたし、みんなに紹介してくれたので誇らしかったし、うれしかったことを覚えています。

 私の中では、図工の先生、絵の先生で『先生』とはついているけれど『師匠』みたいな感じでした。

  

 なぜ『師匠』と思っているのか?


 もう正直、先生の名前も風貌もうろ覚えで、褒められてうれしかった、楽しかったくらいの記憶しかないのですが、先生の言葉で一つ忘れられないものがあるからです。

 

『パレットは絵の具のグラウンド校庭だ。

 真っ白にしておくことはない。

 ぐちゃぐちゃで汚いままでいい。

 色々な色を遊ばせて、楽しくやろう』



 私は、その言葉を聞いて何かこう開放感を感じました。


 パレットは、小さな枠が並んでそこに絵具を出して使い、広い枠で混色する。

 使い終わったらキレイな真っ白に戻るまで洗う。

 これが基本だと思っていたのですが、筆は洗った方がいいけれど、パレットはそのままでもいいと言っていたのです。


 絵の具がカピカピになって次に洗うところから始まると嫌ですし、女子で洗わない子はいなかったので私も洗っていたのですが、今思うともったいなかったなと思います。


 大人になってから、私は色を塗るときに透明水彩や固形絵具を使うようになって分かったのですが、乾いた絵の具の方が濃い色がどばっとでることがなく扱いやすいんです。

 好きな色に調合したものを洗わずにそのまま置いておくと、乾燥してカピカピにはなりますが次回も使えます。


  *


 私は絵を描くのが好きと言いながら、中学高校はあまり色を染めないで描いていました。

 白黒の漫画を描いていたと言うのもありますが、中学の美術先生に『お前は、線画はいいのに色を塗るとイマイチだな』と言われてから、彩色感覚に自信がなくなってしまって着色から遠のいていたんです。



 でも大人になってから、固形絵具や透明水彩絵の具に出会い『やっぱり色がいっぱいあるのはときめくし、たまにはグラウンドで遊ばせててみようか?』と着色を再開しました。


 そして、まさか数十年前の小学校の図工の先生の言葉を思い出し、納得させられるとは思いもよりませんでした。


 パレットは洗わなくていい。

 絵具のグラウンドだから。



 私の白黒の世界に、色を取り戻してくれたのは、小学生の頃にめいいっぱいに褒めて伸ばしてくれた師匠と、そのひとつの教えのおかげだと思います。



 〈 お わ り 〉 


* * * * 


 ☆3以外も歓迎です。気軽に感想&評価☆をお願いします。


 

 ふー、ここまで執筆時間50分。

 なんだかんだと、2千字書くのにエッセイでも1時間近くかかるものですね💦

 読むのは5分くらいで済むのに~。

 

 最近、近況報告やXの宣伝カードに利用しているのは、AIイラストで私が描いたものではないので予めご了承ください💦

 描くのは好きですが下手ですし、機械音痴なのでデジタルで描くことは苦手なのです……。

 とりあず、昨晩描いたイラストを恥ずかしいですが、近況報告にUPしておきます。

 未着色ですが、着色したらXにUPしますね☆

https://kakuyomu.jp/users/amagi_ran/news/16818093074198012899

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KAC7(エッセイ)私の絵の師匠 天城らん @amagi_ran

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