11 進展
通信回線を一体何人の天使が通り過ぎたやら。
気まずい沈黙が流れる中、突如、
「あんた、何してんだい!?」
「うわあああ、母さん!? ちょっと、出てって、出てってくれよ! 今、
片方だけ外したイヤホンの、耳に入ってる方からぼそりと「親フラだあ……」と
「本当に? さっきから全然話し声聞こえなかったよ?」
「盗み聞きすんなー! 母さん、頼むから、出てって! 盗み聞きしないで!」
さすがにもう片方のイヤホンも外して、戸口に立つ母親の方に行き、ぎゅうぎゅうと押し出そうと
「
「余計なお世話だー!」
八割方心労でぜえぜえと息を切らせながら、
「
「思っていた以上に、ぱ、パワフルな、方ですね……」
どこまで聞こえてたか、その確認をするのが怖すぎて、あえて
ただ、
「ええと、どこまで話しましたっけ……母さんのせいで飛んだ……」
「……私はですね、
「……すみません」
「いえ、
また、二人の間に沈黙が降りる。
だって、まるで、これでは――
「……麟さん」
「っ!?」
出し抜けに、
少しの間を置いて、
「そう、お呼びしても、いいですか?」
「それは……葵さんが、いいなら……」
フェアじゃない、と思って、少しのいたずら心で
同時に、やっぱりお互い、先ほどの書いた理由が、告白じみていた事を自覚し、対面でなかった事に
――もしも、恋が、相手を知りたいという欲から、始まるならば。
「……ええと、で、相談なんですけど。コメント欄、どうしましょうね?」
「あ……そうですよね……私も、ちょっとどうしようかなーとは、思ってて……」
とはいえ、まずは目下のファン達の阿鼻叫喚の沈静化だ。
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