10 砂糖漬けにされたファン達と焼け出されたファン達、そして犯人達
◆
数日後――
結果、発生したのは――
〈
〈n杯目のブラックコーヒー、おいちい(現実逃避)。なおカフェインの胃打撃ヤバい〉
〈
〈↑↑&↑それはな、日記機能の方見ろ。マジだ……脳の中にダイナマイトでも仕込まれたのか……?〉
〈くーちかーらさーとうーがざーらざら〉
〈↑ごっくんしなさ……胸焼けするな〉
〈ぴゃああああ!?
〈ドウシテ……ドウシテ……〉
〈日記機能で初めて書きましたって言ってるから、乗っ取りで、ない、だと……〉
〈↑乗っ取りであって欲しかった(真顔)〉
〈内容はアレなのに、文体がいつもの
〈↑わかる……食べれちゃう。けど、消化できない……ヨーロッパの人にとっての海藻、みたいな〉
〈六条さん……あくまでテストだよね……? ジャンル移行、するわけ、ない、よね……?〉
ファンによる阿鼻叫喚のコメントという反応だった。
同時に、二人はこっそり互いのアカウントをチェックし、この有り様を確認して、それぞれ別の場所で互いに頭を
――これはたぶん、きっと、おそらく、
――俺の
――私の
――せいだ。
そしてすぐに、メッセージアプリで先手を打ったのは
『
『あ、はい。丁度こちらもお話したいことがありまして……月末月初だと忙しいんですけど、ちょうど今中旬なので、結構自由ききます』
と、まあコメント欄を阿鼻叫喚に突き落とした当の犯人達は、そんなこんなで金曜日の夜間帯にメッセージアプリで通話を
◆
「えーと、
「あ、はい、聞こえてます」
マイク付きイヤホンから
なお、
「こんばんは、すみません。こんな時間に」
「いえ、繁忙期ではないので……全然大丈夫です」
それから、しばらく沈黙が降り、次に口を開いたのは
「ええと、約束を破るようで申し訳ないんですが」
「は、はい」
通話越しですら、
「……俺、ペンネームは【
イヤホン越しに、
「いや、そもそもヒントを出しあった時点で、読まれる可能性は、ゼロではなくなっていたので、
「……私のペンネームは【
互いに互いの正体を確信した上で、
「
「ええと……それは、
困惑気味の
質問を質問で返すな、というのは簡単だが、互いに言ってることは大体同じだ。
――どうして自分の領分からはみ出して、相手の領分に踏み込んだのか。
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