4 カミングアウト
その背を見送るに、少なくとも、互いの母親間の相性はどうやら悪くないらしい。
「あ、あの」
思わず嵐が去ったような感覚を
とはいえ、目の前の彼女――
「あ、ええと、その、母が図々しくて、申し訳なく……」
「い、いえ、その母が図々しいのは、その、私の方も、なので……ええと、お互い様、ということで……」
控えめに苦笑する
それから、互いに真顔に戻って、しばらく沈黙が降りた。
小説を書く上での知識として、
しかし、まあここは、
「ええと……その、
そう、
しかし、すぐには言葉を継がずに、
そんな
「あの、その、今時、珍しいことではないはず、だと思うのですけれど……」
「え、はい」
なんだろう。動画作成か、はたまた作曲か。
そんな呑気に構えつつ、
「webで、小説を書いて、おります……お恥ずかしいですけれど……」
寝耳に水な言葉に、
――いや、そんなんあるか? お見合いした両者が、webで小説を書いているなんて。
さすがのさすがに、同志、つまりNTR分野で書いていてこんなに堂々と言える女性はいなかろうし、分野は違うだろうけれど。
「あ、あの、すみません、変な事を」
「え、あ、いや、そんな、変だなんて、そんなつもりではなくて、えっと」
おそらくは
「お、俺も、書いてますから!」
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