3 お見合い当日
最寄り駅から更に五、六駅行った先のホテルのラウンジでスーツ姿の
その横では、母親と話を持って来た「みっちゃん」こと、
他人事だと思いやがって、という気持ちはあるが、それはこれからやって来る向こうもそうかもしれないので、ただただ、
下手におばちゃんズトークに
だから、
「ああ、すみません、お待たせして〜」
そんな声を
おばちゃん同士の定型文的な挨拶の合間に一礼を入れてから、聞き流しつつ、向こうの母親の後ろに控えめに立っている女性に、
ベージュのノンカラージャケットに、胸元にパールビーズの飾りが揺れる淡い桜色のカットソー。
そして紺色の膝下丈のスカートと、やはり控えめではあるがセンスが良い。
見られているのに気がついたのか、彼女と
無礼なやつ、と思われていないかはちょっとばかり、心配ではあるが。
「とりあえず、座って座って」
「えーと、
母親の方は、一礼した後に口を開いた。
「この度はよろしくお願いいたします。といっても、うちの
母親が謎のよそ行き猫をぶ
普段電話に出る時よりも、ワントーンどころかツートーンぐらい声が上だ。ソプラノ歌手でも目指す気か。
対して
やはり、やり過ぎだと思って、
「で、
「これも何かの
そんなのんびりしたゆかりの言葉に、一礼を終えた後の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます