第5話 阪九カーフェリーって

 お昼ごはんも食べ終わって中華街を抜け、モザイクを散策。珍しく今日は雨が振っている。夫は晴れ男でどんな時も雨をコントロールして天気をもたらす。それが自慢だったのだけど…最近年を取ってその神通力が失われてきている。

 それでも、あなたのお陰でこの程度の雨で収まっていると私は満足に思う…自分だけだったら毎回大雨に祟られて景色の美しい旅なんて出来てない気がする。そんな真逆なパワーを持つ人なのだ。

 モザイクでゆっくり時間を使ってお茶でもしようと思っていたんだけど何処も満員。苦手な人人人でごった返していた。お腹をすかせて来ていたらフラストレーションに振り回されるところだけれど、そこは満腹。ウインドウショッピングを楽しめただけでも良いとして、何故かここで靴を買い、遂に当面の目的地フェリー乗り場を目指すこととなった。

 神戸港から船旅に出たことは今までにも何度もあって、慣れ親しんだ港だから見慣れた景色かとのんびりしてたら…

 そう、船でと言えばモザイクの対岸、メリケンパークと思っていたんだけど…今回は阪九フェリーに乗るらしい。阪九フェリーってなに?大阪・神戸から九州へ船を走らせているフェリーの会社なんだけど…その乗り場はいったい何処にあるのやら…。

 新港第一突堤?ふ〜ん。それは貨物船の着くところ?そこへはモザイクから三宮まで電車に乗り、そこから住吉まで出てタクシーで突堤まで行きます。

 少し早めに到着。ロビーはもぬけの殻。人気のない場所でゆっくりするのは大好き。窓の外で船に積み込む車の順番を整えて積みやすいようにせっせと一人で乗ったり下りたりしている作業が続いています。ピタッと車を止める。暫し見とれる。

 リュックの中から水筒を出してコーヒーを飲みながら次に向かう場所の本をめくり余った時間を楽しみます。毎日の日課のように中国語の勉強をしているのでここでしばらく携帯とにらめっこ、いつものようには出来ないと半分諦めていたけど、良い時間が取れて良かった。

 

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制作ノート @wakumo

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