夢月みつきさんの『夢の月🧸童話短編集』を読み終えて、毎話ごとにちいさな奇跡や心の変化がそっと描かれていて、大人も子どもも、気づけば登場人物たちと同じ景色を眺めているような気持ちになりました。
とくに印象的なのは、夢や想像、日常の“ほんの少しの違和感”を優しく包み込む語り口。出会いや別れ、すれ違いさえも、希望や優しさに変えてしまう物語たち。くまさんやよっちゃん、ウッド、ラッコ、ハリネズミ、チーズぼうや、白狐と月うさぎ、そして「まる・さんかく・しかく」まで、形や種族、住む場所が違っても、皆どこかでつながりを探し、手を伸ばしています。
疲れた夜や眠る前に、そっと手に取りたくなる――まるで、心の奥にしまっておいた夢をひらく“おもちゃ箱”のような童話集です。