「お月見日和~月のうさぎに誘われて~」『 白狐のコンと月うさぎのムーンの月見メルヘン話』
第7話「白狐のコンと月うさぎのムーン」(公開日 2023年9月23日 15:20)
お月見日和~月のうさぎに誘われて~登場人物紹介
白狐のコン
地球生まれの白狐の男の子。
ちょっと、天然?
月うさぎのムーン
月生まれの月うさぎの女の子。
口調がちょっと、男の子っぽい。
°˖✧🌟✧˖°🌛✧˖°🌟✧˖°🌕✧˖°🌔✧˖°🌟✧˖°🌛°˖✧
黄色の月には、餅つきをする、うさぎの影が映っているように見えます。
それをじっと見つめるコン、彼は月を見ながら月見団子の台座
「今日は晴れてるし、お月見日和だなぁ」
コンは、柔らかい草の上に座ってのほほんと、お月見を始めました。
ススキが涼風に揺れて、コオロギなどの、秋の虫達の音色が聴こえてきます。
一方、ここは月に住む。月うさぎのムーンのお家。
今日は、絶好の地球見日和。
こちらも、美味しそうなつきたてのお餅や甘酒を用意して、青く輝く地球を見ていました。
「見てるだけじゃ、つまらんねぇ」
ムーンは、自家用の小型宇宙船に乗って地球に降りることにしました。
コンは、お月様を見てお団子を一口、かじっていました。
その時です。何と、満月の方から黒い影がどんどん、大きくなって来て近くの森に宇宙船が着陸したのです。
「んぐ~!なんだ、なんだ!?」
コンはお団子がのどに詰まりそうになるのを、甘酒で流し込むと
怖いもの見たさもあって、その方向へと急いで駆けて行きました。
すると、
草むらには、渦巻きのミステリーサークルも出来ています。
コンは、恐る恐る茂みから様子を伺います。
そのうちに、宇宙船のハッチが開いて、月うさぎのムーンが出て来ました。
「どっひゃあ~ん!?宇宙人だ~!」
コンは、その場から逃げようとしました。
しかし、腰が抜けて立てません。
ムーンは、コンを見つけて近寄ってきました。
「ダメだー!僕は、宇宙人にさらわれて実験されるか、牛のようにキャトルミューテレーションされるんだーー!!!僕の狐生、オワタ―」と早口でまくし立てて、あわわと慌てふためき、真っ青になっていると
「大丈夫?何も、取って食やあしねえから。逆に傷つくよ?そんな反応されっと。OK?」
ムーンは、苦笑して、困った顔をしながら赤い目を涙で潤ませる。
そんな可愛らしいムーンを見て、申し訳なさそうに眉尻を下げて謝るコン。
いや、狐に眉毛は無いけど、目尻も下がっている。
ムーンは、親指をグッと立ててにこりと笑う。うさぎに親指は…ない。
「OK、OK。許してやんよ。私は、月うさぎのムーン。おまえは?」
「僕は、白狐のコンだよ。よろしくね。ムーンちゃん?えっと、女の子なんだよね」
と聞いてみる。すると、ムーンはまた目を潤ませ、コンの頬をギュッとつねった。
「
コンは、
「ムーンちゃん、地球に遊びに来たの?」
「月から地球見してたんだが、つまらんから、降りて来たんだ」
「そうなんだ、僕はお月見してたんだよ。これから、一緒にしない?」
コンが聞くと、ムーンは上目遣いで「ナンパ?」と聞いた。
コンは、小首をかしげて不思議そうに問い掛ける。
「ナンパってなぁに?」
「知らなきゃいいんだ。じゃ、お前の家行こうかな」
〇+〇+〇
ムーンは、宇宙船からつきたてのお餅を持つと、コンの家へとお邪魔をして二人は、お月見を始めた。
コンとムーンは、月を見上げながら突き立てのお餅とお団子、甘酒を食べる。
その時、コンがムーンに言った。
「月が綺麗だね。」
その瞬間、ムーンの白い肌がみるみる真っ赤に変わった。
「おまっ、それどうせ、意味知らんのだろ~?」
ムーンがハハハと、渇いた笑いをしながら聞くとコンは、ムーンの方を見てにこりと笑い。
「月が綺麗だね」ともう一度、伝えてからムーンの頬にちゅっとキスをした。
「おまえと見るから綺麗なんだよ……」
ムーンは照れながらそう、応えた。
-おわり-
夢の月🧸童話短編集 夢月みつき @ca8000k
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