「月に恋焦がれて~ひまわりの花言葉は~」ジャンル:恋愛ファンタジー『ひまわりの精と月の精霊の少し切ないラブストーリー』
第12話「向日葵の精と月の精霊」(公開日 2023年8月16日 17:08)
向日葵の精のはなは、今日も太陽に振り向いて貰うために
命懸けで猛アタックをしていた…。
真夏の化身たちの恋愛ファンタジー物語。
別サイトさんの自主企画参加作品です。
「月に恋焦がれて~向日葵の花言葉は~」登場人物紹介
1.
太陽の君に振り向いて貰うため。日々、命を懸けて挑んでいる。
AIイメージイラスト・向日葵の精・はな
https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330662092305476
2. 月の精霊・白夜-びゃくや-
優しく包み込むような雰囲気と、雅さが印象的な月の化身。
癒しの力で、はなを助ける。
AIイメージイラスト・月の精霊・
https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330662092592673
°˖✧🌟✧˖°🌛✧˖°🌟✧˖°🌕✧˖°🌔✧˖°🌟✧˖°🌛°˖✧
1本は、“一目惚れ” 3本は“愛の告白”。7本、密かな愛、11本、最愛。99本は、“永遠の愛とずっと、一緒にいよう”108本は、結婚しよう。
そして、最後の999本目は……。
ここはとある田舎町。ここには今日も、懸命に彼に猛烈アタックする女性がいた。
女性と言っても、彼女は人ではない。ひまわり畑の向日葵の中の一輪。
そう、彼女は向日葵の化身だ。
彼女の本体は向日葵で化身の姿は、人にはみえない。
向日葵の精のはなは、今日も、恋焦がれる相手の太陽に熱い恋心を伝えようと
「今日こそは、太陽の君に振り向いてもらうんだから!」
はなは、燃え盛る太陽に無謀にも、真っすぐ突っ込んで行った。
しかし……。
「キャアーーー!!!」
その想いは、
彼女は、もう少しで激突する所で、たくさんの仲間達によって助けられた。
☆★☆
やがて、夜になり、空には
月の光が、はなを照らしている。
光が
その光が弾けると、突如、凛々しく
平安時代の
瞳も白く、右耳にはヒスイで作られた
彼は、痛々しい姿のはなを見つめると、はなの側にひざまずいて片手をかざした。
光がはなの体をおおって、何と、酷かった火傷が癒えて行く。
しばらくして、はなはゆっくりと目を開けた。
「大丈夫か?太陽に挑むなど。ずいぶんと無茶をしてくれるな」
はなは目の前の男性が、人ではなく。位の高い精霊であることに気がついた。
物腰が柔らかく、穏やかな彼。
「僕は月の精霊、
「あたしは、はな。向日葵の精です。白夜さま、貴方があたしを助けてくれたの?」
白夜は静かにうなずく。
はなは、一目で月の精霊。白夜に惚れてしまっていた。
「白夜さま、白夜さまなら。あたしを優しく包んでくれますか?」
目を細めて、優しくうなずく白夜。
そして、はなは決意をする。
「白夜さま。貴方は、あたしの命を助けてくれた!あたし、貴方がすき……。
太陽の君よりも、貴方が!お願いです。あたしをお嫁さんにしてください。」
手を合わせて必死に頼み込む。はな。
その告白に驚きながらも、うなずく彼。
「はな。そなたが望むなら、それも良いだろう。僕もそなたを気に入っていた。だが、天の精霊と地の精の恋情は、太古より
見つめあう二人。しかし、はなは「貴方の妻になれるなら。耐えます!」と応えた。
「了解した。そなたが、そこまで覚悟があるのなら。僕の妻に迎えよう」
白夜は、力強くうなずき。はなを抱きしめた。
こうして、向日葵の精のはなは、月の精霊白夜の妻となった。
その日からはなは、暑い日中をひたすら耐えて夜には、夫の白夜と逢うようになった。
曇りや雨の日もはなは、もどかしい時を待ち続けて
ふたりが逢えた日には、仲間の向日葵達は、彼女の心に応えて一斉に
月の方を向き、月光に照らされ金色に光ってふたりを祝福した。
☆★☆
そして、決して結ばれない禁忌の存在とされていた。ふたりの間に子が生まれた。
名は、ののと名づけた。ののは、父の白夜の生命力を受け継いでおり、短命の母のはなよりも明らかに長命だった。
ある日、はなと白夜は、この星や生物を創りたもうた神に呼び出された。
『月の精霊と向日葵の精よ。わしは、先代の神の掟よりも、お前達の愛に応えてやりたい。』
「「神さま、有難きお言葉。光栄でございます」」
はなと白夜は、ふかぶかと
そして、はなは意を決したように口を開く。
「神さま、私はもうじき、枯れてなくなりこの命が尽きます。私は、これから先も白夜さまとののを見守って行きたいのです。お願いです。私にお
「僕からもお願い致します!妻の、はなの願いをきいてあげてくださいませ。僕もこの子もはなと別れるのは、身を切られるよりも辛いことです!」
白夜も必死になって頭を下げた。
『了解した……。わしの前で、誓いの口づけをしなさい。
それで、向日葵は月の生命の欠片で、記憶を失わずに毎年、生まれ変わることが出来る』
「はな、愛しているよ」
「あたしもです。白夜さま」
「あたしは、毎年生まれ変わり、貴方とこの子を愛し続けます。これから先もずっと、ずっと……」
白夜とはなは、神の御前で誓いの口づけをした。
はなと白夜の子、ののは、「きゃっ、きゃ」と愛らしく笑い。父と母に優しく抱きしめられる。
神は三人を見守りながら、祝福をした。
空から、光が降り注ぎ、三人を照らす。
親子は、尊くて大切な日々を共に過ごした。
はなは、それから間もなく。白夜と、ののに見守られながら天に召された。
「はな……。僕達は、はなが戻ってくるのをずっと、待っているぞ」
白夜は、はなの亡がらを胸に抱きながら、静かに号泣した。
深夜に天気雨が降った。それは、はなとの別れを惜しんだ空が、流した涙だったのかもしれない。
はな……。僕の愛しい妻よ。君の花のような笑顔を思い出さない日はない。
ねえ、白夜さま。知ってる?向日葵の花言葉は、本数で変わるの。
花言葉は1から999まであって。相手への愛の言葉が続いている。最後の花言葉は…(何度生まれ変わってもあなたを愛す)よ。あたしは、逢えない間も愛を送り続けるわ。
だから、ねっ?そんな悲しそうな顔しないで。笑顔で送り出してね。
~おわり~
夢の月🐬短編集 夢月みつき @ca8000k
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