人それぞれの色
月乃兎姫
第1話
色にも様々な色があるとおり、人にも色……いわゆる特色というものが存在する。男と女などの性別に始まり、人種や国より、様々な人々がいる。
そうした中で、この日本という国において、いや世界において自分という人間は一人しか存在し得ない。それは同じ親から、同じ環境で育った兄弟姉妹であっても、大きく異なっている。
だからというわけではないのだが、時に人を色で表すことができる。
明るい人ならば、赤や黄。大人しめの人は黒や紺色。女性ならば、ピンクなどの好まれている。また、昨今においてのそれは過去の既知とは異なり、男の子なら黒色のみというわけではなく、ピンクや赤色を好み、女の子でも黒や紺色であっても違和感わない。
しかしながら、日本を離れた海外では、人の色とは主な認識として肌の色や人種差別に繋がっている。それは特に海外ゲームやドラマ、映画などに設定や物語として色濃く描かれ、ある意味で世界的なトレンドと言えることだろう。
それでも嫌悪感を抱く人は少なくなく、敢えて問題提起するのは、リスクが高いと言える。それらを主題とした作品ならばいざ知らず、世界的な風潮だからと安易に取り上げ、それまでのファンや購買層、また擁護しているはずのマイノリティの人々からも嫌気が差されているのに、クリエイターたちは気づいていない。
もちろん、社会性は確保されているものの、まだまだ受け入れがたいと言えることだろう。世界的な映画……SF世界のロボットを描いた超大作品であっても、決して例外ではない。それは商業的に見ても、そのほとんどが敗北でしかなく、作品の打ち切りや出演者への批判などに繋がることがある。
また危険性として、「自分達はこれまで差別されてきた、だから今度は自分が周りの人間を虐げる番だ」というような権利・大義名分を得てして、犯罪行為が目立つようになっている。
色……は確かに大事だが、大事にするあまり、怪物を生み出しているのが現実かもしれない。
人それぞれの色 月乃兎姫 @scarlet2200
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