ポーターだからと馬鹿にして来るS級様って結構いるのだけど、それ止めといた方が良いでやんすよ

ハンターシーカーアルゴリズム

第1話

あっしはダンジョン攻略をするPTパーティのチンケなポーターでやんす。


ギルドの斡旋でS級剣士様ひきいるPTパーティ って奴のポーターになったんでやすが


「「何、この不細工!!」」


骸骨のように痩せ細った女魔術師と丸まる太った回復師がのたまう。

いや、ポーターに容姿は関係ないでございやしょう。


「おいヒョロガリ!荷物持てるのか!」


S級剣士様も怒鳴って来ます。


「ギルドの仲介するポーターが荷物も持てない訳ないでやんしょう」


あっしは彼らの前に置かれた大荷物を軽々と持ち上げてみせます。


「くっ、生意気な奴だな、ポーターの癖に」


今回の雇い主のS級剣士様達は、どうやらポーターを見下しており、面倒そうでやんす。


さて、ダンジョンに入りはや数日。地下二十階に到達したでやんす。

この階は不思議なことに砂漠になっており、空には強烈な光の太陽さえ浮かんでおります。

出てくる敵も強くなってきてるようで。S級剣士様と女魔術師と女回復師は連戦で汗と血に塗れぐったりしております。


「倒したモンスターの魔石、採取して置け!」


あっしは頷くとモンスターを解体し、食料や水を消費して嵩の小さくなった背負い袋へどんどん詰め込んで行きます。


一息ついたからか、S級剣士様はPTパーティの女達といちゃつき始めます。


「ちょ、ここダンジョンですよ?」


さすがに盛るのは危ないでやんす。


「モテないポーターはあっちで自分で慰めてろよ! こっち覗くなよ!」

「「S級剣士様格好良いー」」

「そうだろう、そうだろう、可愛がってやるからな!」


石を投げられ追い払われました。


まぁあっしはしがないポーターで馬鹿にされても我慢するしかないでやんすから近くの岩場の影で膝を抱えて終わるまで待ってたでやんすよ。


ひと段落したようで、あっしが声を掛けると、満ち足りた顔のS級剣士様が女魔術師と回復師をはべらせ、あっしをせせら笑っておりやす。


「お前みたいな弱虫喪男のポーターは何を楽しみに生きているんだ?」


とS級剣士様が嘲りながら石を投げてきやす。

あっしが頑張って石を避けた姿が面白かったのか、横の二人の女も笑います。


何が楽しみと言われましてもねぇ。


そんなこんなで荷物を抱えS級剣士様達とギルドへ帰って来たでやんす。



「あなた、お帰りなさい!」

受付ギルド嬢と会話していた嫁があっしに気づくと大喜びで駆けて来ます。


S級剣士様があんぐりと口をあけておりますね。

まぁ嫁は出るところ出た肉感的なかなりな美人でやんすからね。

街一番、いや国一番かもしれやせん。


教会で出会って、あいつとあっしは妙にウマが合って結婚までしちまった。


十日ぶりに会った夫婦のやることは……決まってやすね。

お互いこれを楽しみに生きてるとも言えます。


あっしが、女房の尻を叩くと、女房は真っ赤な顔してあっしと腕を組み家へ引きずって行きやす。これから始める事に二人して思わず早足でやんす。


S級剣士様や取り巻き様がいくら馬鹿にしてもあっしは気にしやせん。


S級だろうと何だろうと、男の幸せや格って奴はぶっちゃけ良い女といかに致せるかって事でやんしょ。


仲良く家路につくあっしらをS級剣士様が血の涙を浮かべて見てやしたね。

横の女どもはそれを惜しそうに見てたでやんす。


ざまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!  ってところですかね。



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