良く歩く坂道の階段。
超科学者の金髪ツインテールが、街を歩いている。
彼女は悪の組織から目をつけられている研究をしている超一線級の科学者だ。
但し、一筋縄ではいかないとの噂。
組織も攫って組織の望む研究させるよりも、弱みを見つけて脅して研究に協力させる方針である。
彼女の弱みを見つける為に潜むように追跡していたトレンチコートの男は組織の人間であり、街中を影のように執拗に彼女を追っている。
隠蔽の能力がある彼は科学者の彼女如きに見つかるハズもないはずであった。
が、彼女は、ゆるりと体を廻し、男を認識した。
それはもう自然体で。
彼女とトレンチコートの男は街中でお互いを視界に入れる。
トレンチコートの男は自分の認識阻害を軽く突破され認識された事に驚く。
「俺がつけてるのに気づくとは、俄かには信じがたい」
トレンチコートの男は襟を立て、緩やかだが、険のある声で彼女に問うた。
「フッ」
ツインテールの科学者少女は、何を言っている当然だろうという感じで鼻で笑い返した。
「面白い、お前。|組織《あくのそしき》に入らないか?」
道行く人はトレンチコートの男に誰も気づかず、だが、何故か避けて歩いていく。
恐るべき認識阻害の異能。彼ならば、誰にも気づかれずに獲物にナイフを首に突き立てる事も容易だろう。
「いやよ、サッカー見れなくなるじゃない」←彼女はサッカー好きらしい。組織はサッカー嫌いのようだ。
彼女は今武器を持っていない。
まぁ自分なら、何時でも逃げられるし、組織のアジトの一つが判明するならそれも良し、潰すのも面白いしと、その勧誘に乗る振りをして、少女はトレンチコートの男についていくことにした。
トレンチコートは少女が自分と組織を恐れて自分について来ていると思っているが、全くそんな事はない。むしろ面白いことになるかもと楽しんでいるだけである。
寂れた街の中、組織のアジトへ連れて行かれる道すがら、道に巨大な|花《ラフレシア》が咲いていた。←道中にラフレシアって何だよ!
「何だこれは、お前が咲かせたのか」
「そんな訳ないじゃない」
彼女はラフレシアを見ながら言った。
調べるために近づくトレンチコート。
巨大な花が突然ばらけ蛇のような紐になり、男へ絡みつく。
「ぎゃあああああああああ!」
巨大な花のような紐は組織の怪人だった。
紐に締め上げられ、トレンチコートの男の顔色は青くなり、瀕死の状態だ。
「くくく、敵を勧誘するようなゴミは組織に必要ない」
花に絡まれ悲鳴を上げてる男は、悪人ではあるが、そこまで酷い男じゃないと彼女は認識していた。
助けられるなら、助けてやりたいかな。そう金髪ツインテールの科学者は思考する。
彼女はトレンチコートを締め上げる怪人を懐柔に掛かる。
「貴方、なかなか優れた怪人ね。良いわ。グラビカ、グラビカまで行かない? 仕事あるわよ」←グラビカって何処だよ!
自分のような怪人に絡み締め上げられ、トレンチコートの男が死にかけているのに目の前の金髪の少女は落ち着いた声だ。怯えも動揺もない。
この世界は超越の力を持つ人間が居る。
怪人は恐怖した。もしかしてこの少女は自分を瞬殺出来る超越者なのではと。
この状況で怪人の自分の勧誘を仕掛けて来るくらいである。
従った方が良いのではと怪人は思考した。
……と、ここで目が覚めた。
おいらは、割りと自分関係なく、物語を見るような夢を結構みるのだ。
大抵は化け物と戦って策を弄するものの、最後は見つかり、ああ、死ぬのか……で終わる夢が多いっすけど(涙
今回も基本自分ではなく、その世界の誰かさんなんだよな。不思議。
……見た夢書くだけで、まじかよの1400文字でした。