家族の色

 ……


 俺は今。本来の我が家に帰って来ている。

 だが、今回の滞在時間は約二日で有る。


 会社の方が毎月。帰省手当を支給してくれるので、俺は有給や代休を上手に使って、我が家に帰省している。

 今回は二日で有るが、大型連休時は五日程度帰省できるように、頑張って休暇を作る!


 午前中に単身赴任先の住居を車で出て、道中で昼食を摂ってから、本来の我が家に帰った。

 母さんや咲子は食べるのが大好きなので、食べ物のお土産もと買って行った。


 今は、三時のおやつ時間で有り、家族全員が揃ってくれてお茶をしている。

 宮子は雑貨屋でアルバイトをしているが、俺が帰って来る時は極力時間を作ってくれる様に成った。


『もぐ、もぐ、―――♪』


「餡子の甘さが丁度良い!♪」


 咲子は笑顔で一人しゃべりをしながら、俺が買ってきた饅頭を食べている。

 咲子はよく食べる子で有るが、体形は不思議と標準体型で有る?


「しかしまぁ……毎回の事だけど、あなたは買ってくるね…」

「これじゃあ、お茶の時間では無くパーティだよ!」


 宮子はテーブルに広げられた、たくさんの土産菓子を見ながら呆れた表情で呟く。

 宮子は家族の前では、俺の事を『お父さん』とは呼ばず『あなた』で呼ぶ。


「けど、数日もすれば綺麗に無く成るのだろ?」

「宮子?」


 俺は困った微笑み表情で宮子に話す。

 宮子も俺と同じ表情で、俺に話し始める。


「そうだね……何処かの親子が、暇が有れば菓子を摘まむからね」

「呆れるわ……」


「うゆ!」

「それは、何処の親子かな~~。宮子~~(怒)」


 宮子の話を聞いていた母さんが、怒った笑顔で宮子に言う!

 宮子の皮肉を、母さんは真面まともに捉えたようだ。


「まぁ、まぁ、母さん……俺にとっては、捨てられるより食べてくれた方が嬉しいから!///」


 俺は困った笑顔で母さんをなだめる。

 すると、母さんは和やかな表情に変わって、俺に話し始める。


「そう、そう!」

「お父さんが毎回買い過ぎるから、私たちが頑張って食べているのだよ!♪」


「お饅頭なんか、本当数日でダメに成るからね~~♪」

「ねぇ、咲子?♪」


「えっ!?」

「うん、うん、そうそう。色々な種類が食べられて毎回嬉しいけど、ちょっと多いね♪」


 母さんは咲子に話しを振り、咲子は突然振られて少し驚くが、笑顔で母さんに話す。

 お土産の量が少ないと、愚痴を零す親子の癖に……


「あっ、このチョコクランキー見たいの美味しい♪」


 真央はとある菓子を食べながら、嬉しそうな表情で一人しゃべりをする。

 真央は基本。家庭内でも積極的に話し掛ける子では無い。


 なので、自然と一人しゃべりが多くなる。

 真央の話を聞いていた母さんが、真央に向けて和やかな表情で話し始める。


「そうなの。真央?」

「じゃあ、お母さんも食べっよ!♪」


「うん。美味しいよ!」

「お母さん!!」


 真央は笑顔で母さんに話す。

 母さんは宮子に言われた事を、忘れてくれたようだ……


「パキッ、もぐ、もぐ、―――」


「………///」


 母さんは笑顔で、チョコクランキーを食べ始める。

 宮子は『やれやれ』の表情で母さんを見ていた。


「ねぇ、お父さん!」

「このお菓子。凄く美味しかったから、次回も買ってきてね!♪」


 咲子は、とある箱菓子に指をし示してをする。

 俺は納得した表情で咲子に話し始める。


「それ、咲子気に入ったのか!」

「分かった……その菓子だな!!」


「ふぅ……」


 宮子が俺の言葉を聞きながら、溜め息を吐く。

 咲子をまた甘やかしていると、宮子は感じているのだろう。


 さっき。咲子が次回と言ったが、俺の単身赴任生活はまだが見えない。

 先日。赴任先の事業所長に直談判じかだんぱんした時は、年末までと聞いたのだが、全く年末で帰れる雰囲気を感じない。


 応援派遣先は相変わらず忙しいし、人が来る所か、退職を申し出る人も多い……←主人公は、応援派遣名目で単身赴任している

 なので、来月も一時的に帰って来るのだろう……


(しかし、改めて俺の家族を見てみると……こんなので良く纏まっているな!)

(母さんと宮子の性格は正反対だし、真央は宮子・咲子から見れば半分他人の子だし、こんなので良く家族が機能しているな!?)


 俺は心の中で感じる。

 でも、それが纏まっているのは間違いなく、母さんのなんだろう。


 母さんの普段は温厚な性格だし、俺も含めて子どもたちを全員愛している。


「うゆ。お父さん!」

「手が止まっているぞ!!」


「もう、お腹いっぱいに成ったの?♪」


 俺が菓子に手を付けていないから、母さんが笑顔で話し掛けてくる。

 俺は困った微笑み表情で、母さんに話し始める。


「あぁ……昼食を少し食べ過ぎてしまってね///」


「そうなの?♪」

「ちなみに、今晩は特製豚カツだよ!♪」


 結構。菓子を食べている母さんだが、嬉しそうな表情で俺に話す。

 ちなみに、母さんの得意料理は揚げ物で有る!///


「わ~い。豚カツだ~~♪」

「なら、お菓子はここで止めよ!」


 真央も嬉しそうな表情で一人しゃべりをする。

 そして、お菓子を食べるのをで止める感じだ。


 真央が食べる量も普通の子より多いと思うが、母さんや咲子みたいに食べるのが大好きではない。


「豚カツか~~♪」

「今晩も食べ過ぎそうだな~~!♪」


『パクッ♪』


 咲子は笑顔で一人しゃべりをしながら、お菓子を食べ続ける///

 毎回思うが、その食べ物は何処に消えるのだ。咲子……


「………///」


『ズズッ』


 無言の困った微笑み表情で、宮子はを飲む。

 この家族の中で一番食べないのは宮子で有るが、小食では無く、自分で理性をコントロールしている?


 本当。個性豊かな家族で有り、が強い家族で有る。

 これが、俺の家族だ!


 みんな個性が強すぎるが、それでも、俺の大切な家族で有る。

 みんな娘で有るからとついでしまうだろうが(?)、三人とも立派な娘に成長させたい!


 ……


 ☆おわり☆

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家族の色 小春かぜね @koharu_kazene

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