お題を物語へと昇華する、作者様の技巧が冴えた作品です。「トリ、会えず」。ビターでノスタルジックな筆致は、しずしずと心にしみ込み、読み手の感情をくすぐります。最期の一文まで丁寧に編まれた、記憶のタペストリーのような作品です。