第4話 ワンちゃん

 先週木曜日の夜、ワンちゃんをもらってきました。なんの血統か皆目つかない雑種ですが、見た目はビーグルとジャックラッセルとコーギーを足して三で割った感じです。


 オーストラリアにはペットショップというものがありません。動物愛護的な視点から、法律で禁止されています。犬を飼う場合、ブリーダーから直接買うか、保護犬を受け入れるかのどちらかですね。


 ブリーダーから買うと、お高いんですよねぇ。日本の相場を知らないのですが、オーストラリアのビクトリア州ですと、だいたい三千ドル(今日のレートで約三十万円)くらいから、人気の犬種だと五〜六千ドル(約五十〜六十万円)、高い子だと八千ドル(約八十万円)くらいが相場のようです。


 保護犬もタダというわけではありません。障害や病気があったり、老犬であったり、扱うのが難しい犬は無料の場合もあるようですが、健康な子犬だと、人気の犬種で千五百ドル(約十五万円)、雑種で七百〜千ドル(約七〜十万円)くらいが相場です。


 どの保護犬も、ワクチン接種、不妊・去勢手術、マイクロチップ登録をすることが義務付けられているようです。


 保護犬を受け入れる理由は様々と思いますが、「救える命があるのなら」という理由が大きいですよね。それに加えて、私の場合は、「保護犬だとブリーダーから買うよりも安い」「トイレトレーニングがある程度できてる犬がいるかも」という下心もあり、まずは保護犬から探してみることに決めました。


「保護犬はトラウマを抱えていたり、行動に問題のあるものが多い」とか「広い庭がなくても飼えるような小型・中型犬は人気があるのですぐにもらわれる」とか聞いていたので、あんまり期待してなかったんですよ。


 で、デジタル世代の子供達に「ネットで探してくれよ」とたのんだら、ものの三十分くらいで六匹くらい、よさそうな子たちを見つけてきたんですよね〜。


 その中の特に見た目がかわいい犬が、なんと自宅から車で十分の家で保護されているということだったので、善は急げと連絡を取りました。


 保護されていたのは、シェルターではなく、普通のお家。犬好きの女性が、自宅で犬を六匹くらい保護していらっしゃいました。


 サイトで見つけた犬は、すでに受け入れ先が見つかり、引き取られたあとだったのですが、私たちのように犬を飼ったことのないビギナーでも飼えそうな性格の犬がいるとおっしゃるので、そっちの犬に会いに行きました。


 向かってみると、ワラワラと六匹の犬に迎えられました。みんな雑種で、交通事故で脚を失くして三本脚になった成犬以外は、みんな子犬でした。


 その中でも特にのんびり屋さんだという犬を勧められ、一緒に散歩に行ったり遊んだりしているうちに、私たち家族はすっかりその犬の虜になりました。


「あー! もうもらって帰りたい!」ってくらいだったんですが、こんなに早くサクッと犬が見つかるとは思っていなくて、家のリノベがまだ終わってなかったんですよ。しかも、二泊三日の旅行に行く直前でした。


 ということで、その時は諦めて帰りました。「あんないい犬は、すぐに他の貰い手が見つかるだろうな」と思っていました。というのも、人気の犬種の子犬などは、サイトにあげてその日に貰われていくことも珍しくないらしいんです。


 二泊三日の旅行中も、その犬のことが頭から離れず、子どもたちは毎日サイトをチェックして、まだ貰われてないか確認していました。


 旅行から帰ってきても、その犬はまだ貰われていなかったので、これはもう運命かもしれない! と大急ぎで家を片付けたり、犬用のケージを譲ってもらったり、エサ皿や首輪などを買いに行き、またその犬に会いに行きました。


 再会して確信しました。この犬だ! と(笑)。私も夫も子どもたちも、すでにその犬にメロメロでした。その日にそのまま貰って帰り、名前はキャスパーに決めました。


 キャスパー、すでにトイレトレーニングも済んでるし、性格も温厚で、手間のかからないいい子です♡♡♡ ウチに連れてきた当初はビクビクしてて、おしっこもウンコも漏らしちゃってかわいそうだったんですが、一晩たったら落ち着いて、一週間たった今はだいぶ慣れたようで、少しやんちゃもするようになりました。先週はさっそく夫のメガネを噛んで壊したし(笑)。


 前から犬は好きだったのですが、自分の犬ってこんなに可愛いもんなんですねぇ。犬とのドタドタ新生活、これからもちょこちょこお知らせしようかと思います。


追記:食堂『まどか』のふつうのご飯の三作目、完結しました。多くの方(私基準)が最後まで読んでくださって、すてきなコメントの数々を残してくださって、本当に嬉しく思っています。


小説を書いていると、自分では思ってもいなかった反響をいただくことがあると思うのですが、今回はまさにそれで、とても興味深かったです。個人的には、ウェブに自作を投稿する醍醐味ってそこだなと思ったりもします。そのへんのこと、いつかエッセイに書いておこうかな〜と思っています。


まだの方はぜひ♡

https://kakuyomu.jp/works/16817330657517850145/episodes/16818093073724680759

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