第2話 白紙の紙に1点のインク

2011年4月3日 コーヒー大学に進学。

私は大学生になった。

同じ大学に高校の同級生は居らず、1人でこの大学に入学した。

この大学には「血圧」の進化を研究している唯一の大学だから進んだ。

偏差値は50と普通の大学だが、高校のみんなはすごいと称賛するばかり。

まあ、私は私のしたいような人生を送るつもりだ。関係ない。


2011年4月20日 私はサークルに入る

大学生活にも少し慣れてきたけど、1限は始発で行かないといけないのでしんどい。

毎日日記を書こうと決めていたのに、今日が久しぶりの更新。

今日、同じ学部の子から連絡があって、

「私、美術サークル入るんだけど、結子ちゃんは何か入るの⁇

入らないなら、美術サークル入らない⁇」

正直、サークルなんて思い出の1つか2つ程度のものだが、

就活とかなんとかめんどくさい行事がいっぱいあるし、面白いのもなさそうなので

美術サークルへ入ることにした。

正直うるさい体育会系のサークルじゃないので、大丈夫だろう。

なので、体験にも行ってみた。静かで落ち着いているサークルのように感じた。

だから、私は美術サークルに入ることにした。


2011年5月4日 サークルの新入生歓迎会

一応の人数が集まったとの理由で新入生歓迎会が食べ放題の焼肉屋で行われた。

先輩方はお酒を飲んでいた。全員の顔を見たのは今日が初めてだった。

「今年は男子が3人、女子が4人入って来てもらいました‼︎ありがとう‼︎

新入生を歓迎して完ぱーい‼︎」

雪野先輩の合図から歓迎会が始まった。

サークルの人数は男女比6:4だった。男性が多いのは驚いた。

歓迎会は1次会が22時で終わった。先輩方全員が出来上がっていた。

「2次会はカラオケに行くけど、行く人〜‼︎」

先輩の一声があった。新入生だし、行かないとだと思った。

しかし、この時に雪野先輩から私に行ってきた。

「夜も遅いし、僕も今日は帰るから、帰ろうか。駅までは送るよ。」

そう言われたので私と雪野先輩は一緒に駅まで行った。

他の人達はみんな一緒の方向へ行った。

別れ際、雪野先輩に言われた。正直これは残しとこうと思った。

「結子、顔いいよね。他に触られるのは嫌だな。僕、今フリーだし、

もしいいなら、1回一緒にデートでも行かない⁇」

今日は考えることにした。酔ってたし。


2011年5月10日 あの日は嘘では無かった。

久しぶりにサークルへ顔を出した。

美術準備室へ入ると、誘ってくれた子と知らない人がイチャついていたので、

すぐに美術室へ戻った。正直先輩だったのだろうが、名前も顔も覚えるつもりはない。

戻ってすぐに、雪野先輩が絵を描いていた。

私が久しぶりに名前を覚えた人物なので、多分嫌いな人物ではないのだろう。

「この前のデートの話、どう⁇考えてくれた⁇」

は⁇酔ってたんじゃないん。と思ってたが、覚えてたし、1回はしようかな。

なので次の土曜日にデートすることになった。


2011年5月12日 雪野先輩とのデート

人生初めてのデート。雪野先輩とは12時に待ち合わせをした。

今回のデートプランはあっちが全部決めるからと言われ、何も考えず集合場所へ。

12時5分に集合場所へ着くと連絡が来たので、最初から遅刻かよと思った。

雪野先輩は車で集合場所へ来た。理由が分かった。渋滞だって。

評価は下げないでおこう。

軽く昼食を済ませ、水族館へ向かった。

初デートで水族館とか、ベタすぎて面白いなって思った。

イルカショーを見たり、ジンベイザメのいる大水槽ではしゃいでいる先輩を横目で見たり、帰り際に小さいお揃いのぬいぐるみを買ったりと楽しかった。

車へ戻り、先輩から一言。

「今日何時まで行ける⁇」

何⁇怖いんだけど。でも、明日は勉強したいと思ってたから、

新入生歓迎会の時間くらいまでならと答えた。

すると先輩は安堵した顔をしていた。私、もしかして顔に出てた⁇

先輩は車を走らせ、雰囲気の良いレストランへ行った。

ゆっくり食事を終えた後、予定の時間には早かったので、

夜景でも見に行くことにした。

そこで先輩から告白をされた。これも人生初めて。

もちろん、考えさせてくれと答えたが。


白紙の紙に1点のインク。私の好きな赤では無く、初めて見る青。

先輩に恋したら、どうなるのかな⁇

雪野先輩って今日もナンパされてたし。かっこいいんだろうな。世間では。

チャンスを物にしよう。


心臓の音がうるさかった。血管が膨張している⁇まさか。

カンナビジオールじゃ有るまいし。でも、どこか落ち着いける。

恋なのかな⁇これが。無縁だと思ってたのに。

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Mariana Aquarium 多希乃 咲 @take_saki_storys

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