お嬢様大学?淫乱女子大生?!な黒歴史。

@Karin7

エッセー :お嬢様大学?淫乱女子大生?!な黒歴史。

 私は大学時代、一応、北海道ではお嬢様大学と言われる(昔ながらの人が言っている感じ)大学に通っていた。 

 とは言え、本物のお嬢様は系列の女子中・高へ通っていた場合がほとんどで、全員がそうという訳ではなかった(私の家なんて特に)。 


 入学して、学部内で仲良く一緒に過ごしていた4人の友人は、半分がお医者様の娘で、もう半分は建築会社の社長の娘だった。 


 ・・・中流家庭、いや、貧乏家庭はうちだけ!! 


 当時、4人とも性格が良くてそんな事など誰もなんとも思わずに過ごしてくれた。どちらかと言うと、少し天然で良い子が多かったなぁと感じる。 

 高校時代にいじめのような経験をした私は、トラウマが強く残っており、女子という存在に対して無意識に警戒心を持ってしまっていた。だが、このメンバーとは穏やかで楽しい青春を過ごす事が出来て、運良く良い友人に恵まれて大学時代がスタート。 

 メンバーは私を含めるて5人。うち、2人は背が高く、私を含めた3人は150㎝前後と小さいため、歩く時は前に小さい3人、後ろに大きい2人となる事が多かった。 

 たまたま前の3人で、遊ぶ事になった。 

 その日は、父親が実家で病院経営をしている子の家へ集合。実家は田舎の方にあり、札幌には親が購入したマンションがあるため、そこに姉妹で住んでいるとのこと。 

 今思うと、戸建てに病院だけではなく、マンションまで?!と驚くが、当時はお馬鹿で何も感じず、「そうなんだぁ、わざわざ札幌にまで家をもつなんて、不思議だなぁ」と思っていた。 

 札幌で言う高級住宅街は、円山というエリアが有名で地元の局アナやスポーツ選手が住んでいるらしい。例に漏れず、彼女のマンションも円山にあった。もちろん、高層マンション。 

 そんな事など露知らず、当時の私は彼女の家でくつろぎ、ベットの上を跳んで遊んだりしていた。 


 そして、なんとなく思った事を友人に言った。「家は広くて良いけど。大学まで行くのに乗り換えも必要だし、ここって不便だね」 


 19歳の自分よ、無知過ぎる!! 


 東京で言うと、南麻布に親のマンションがあるからそこに住んでいる人へ、嫉み心も何もなく「いやぁ、大学は八王子だから不便だよねぇ。私は、八王子の安いアパートに住んでるから通うの楽だよ」なんて言っているようなもの。 

 そんな無知過ぎる私のセリフに、友人は眉をひそめて答えた。



「そうなんだよね、一人暮らしの人は、みんな大学に一本で行ける所に住んでるから。ここは不便だよぉ」 


 なんて、平和なんだ! 

 もしかして、平和って、無知な方が成り立つのでは? 



 最初にお嬢様大学と伝えたけれど、私はお嬢様の“お”の字も出てこないくらい浮いていたように思う。 

 例えるなら、じゃりん子チエという関西弁を話すアニメのキャラクターがいたけれど、そのチエちゃんとちびまる子ちゃんを足して2で割ったような感じだった。


 浮くどころか問題児だったような気もする。


 そして、それを物語るような象徴的な出来事が、あの日起こってしまった。



 あれは3年生のとある日、ゼミがあり、大学へ自転車に乗って向かっていた。時間にすると35分くらいかかってしまう。漕ぎだして5分くらいで、小雨が降り出していた。 

 どんどん雨は激しくなっていく。つまり、残りの30分は激しい雨に打たれていた。今の私なら、すぐに切り替えてバスに乗ってしまう。 

 当時、20歳の私は、じゃりん子チエなのだ。雨が降ろうが、雷が鳴ろうが、根性で節約できる道を選択する、というパワーに溢れていた。 


 正直、割に合っていない気がする・・・という思いはよぎったけど、振り切って自転車のスピードを飛ばした。 

 ゼミの教授は、優しいシスターだった(キリスト系列の大学なので)。到着すると、彼女は丸く柔和な顔で、少し遅れた私をちらっと見ただけで、そのまま授業を進めた。 

 もう、びしょびしょ状態でゼミの授業を受ける。その日の私の服装は、ロンTの上にTシャツを重ね着。なので、せめて上のTシャツを脱いで、びしょびしょ具合を緩和したくて仕方がなかった。 


 今回は自分の発表日ではないため、他のゼミ生の発表を聞くだけで終わる。 


 よし、皆が話に集中している間に、こっそりTシャツを脱ごう。下にはロンTを着ているし。 

 そして、ここだ、という瞬間に私はTシャツを上に上げた。すると、シスタ

ーの声が響いた。


「かりんさん!一体どうしたの?!」


 

 上げたTシャツが目の前にあり、前が見えない。だが、教授が狼狽している様子が伝わった。 


 なんと、私は雨に濡れたTシャツだけではなくロンTも一緒に上げてしまっていた。 


 そう、ブラジャー姿が丸見えなのだ!! 

 例えると、ロバートの秋山さんが梅宮辰夫さんの顔を書いたTシャツを上に上げる時のそれと同じ状態。



 これでは、ただの淫乱女子大生。 

 いや、ゼミを荒らす露出狂。 



 雨に濡れた違和感から解放されたい、それだけだったのに。

 ゼミのメンバーもシスターも、目の前で何が起きているのか、困惑したに違いない。 




 いやぁ、女子大で良かったー!  



 

 大学の友人たち、そして卒業生に在校生、本当に申し訳ない。こんな黒歴史を醸してしまった。



 母校の名を汚さないように、今後の人生で挽回できるよう、頑張ります!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お嬢様大学?淫乱女子大生?!な黒歴史。 @Karin7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画