第10話『VS不死鳥顛末1』第11話『VS不死鳥顛末2』第12話『VS不死鳥顛末3』

第10話:『VS不死鳥顛末1』


[1コマ目]

 後輩たちは気に入らない事があった。

 我らが総長ダガー様が、頭の上がらない人物がいたからだ。


「ダガーカバン持ちなさい」

「はーい」


 クラスメイトのマフラは総長にカバン持ちをさせている。

「激怒!」


[2コマ目]


「総長どういう事ですか?」

「君たちこそ、総長って呼ぶのどういう事かな──?」

「マフラの件です!」

「マフラナマイキ!」

「総長。粛清を!」


「やめて、マフラ怖いから、君たち200人くらい集まったからって、ナメたらアカン!」


 そして語られる。あのダンジョンでの悪夢。


[3コマ目]

 3人は、不死鳥フェニックスごと強制帰還された。

 地上に不死鳥が現れて教室は大パニック。

 廊下には黒焦げのダガーが横たわっている。ちゆが確認するが息をしていなかった。


[4コマ目]

 ここで不死鳥とマフラの一騎うちが始まる。


「私の友達に何するの!!」


 マフラは炎の魔法使いだ。炎の妖精である不死鳥とは相性が悪い。不死鳥を倒すには、水か氷の魔法が適切だろう。


 それでも敢えて炎の魔法で倒すにはどうするのか? それは生存限界温度の枠を超えれば良い。

 

 不死鳥は、3000℃から6000℃を生存域としていた。それを超えれば理論上殺せる。


 マフラはこの青い炎の魔法使いだった。マフラの炎は、怒髪天を衝く勢いで着込んだ衣類を燃料にし、火災旋風のブーストが加わり一気に7000℃を超えた。


 こうして不死鳥は、マフラに3度殺された。

 

***

第11話:『VS不死鳥顛末2』


[1コマ目]

 ちゆの証言。

「あんた、いっぺん死んだんよ」

「でも、即死は回復できないって言ってなかったか?」

「あれは、自分が死んだ場合な? 自分が死んだら蘇生魔法が使えんやん。他人なら蘇生魔法が使えるよ。だいぶん腐った遺体でも、それこそ獣魔オークに食われて出て来たうんうんからでも再生可能や!」

「それはヤかな?」

「贅沢やな。蘇生魔法欲しさに、うちの足さえ舐める殿方もおるんやで──」


[2コマ目]


「ダメなの? もう……」


 不死鳥との戦いに勝利したマフラだったが、嬉しさはなく、悲しさと寂しさだけがあった。


「蘇生があるわ」

「なら直ぐにやって!」

「レベル低いんで魔力が足らへんわ」

「魔力があったら、助かるの? 私のあげるから使って!」

「わかった。手を繋いで魔力を注いで……」


[3コマ目]


そして1コマ目に戻る。


「その時のマフラの顔見せたげたかったわ──既に不死鳥との戦いで枯渇状態だった魔力を、みんなくれたんやで──」

「へえー」

「でもその後、不死鳥が従属を示した時のマフラの顔が──もっと輝いとった!」

「え──!」


[4コマ目]

 マフラは泣き笑いの顔をしていた。


「ダガーが助かって、そんなに嬉しかったんか?」

「ダガーには言うなよ! 不死鳥を使い魔ペットに出来て嬉しかった事にしておいて!」

「本当は、どっちが嬉しかったんや? 白状しな?」

「白状します。不死鳥より──ダガーが一緒の方が──10倍嬉しかった──!! 秘密だぞ?」


***

第12話:『VS不死鳥顛末3』


 ダガーのレベルが1上がった。現在レベル16。耐久度が10上がった。耐熱度が10上がった。噛みつく攻撃レベル1を覚えた。


 マフラのレベルが1上がった。現在レベル16。火炎魔法がレベル10に達した。青炎魔法のレベルが10に達した。新たに白炎魔法レベル1を覚えた。従属者『不死鳥』が加わった。


 ちゆのレベルが1上がった。現在レベル2。治癒魔法がレベル2に上がった。蘇生魔法がレベル2に上がった。新たに死者の呪いレベル1を覚えた。転生者ボーナス『みんな安全に』がレベル2に上がった。従属者『校長先生』が加わった。


 おわり

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ダンジョン教室 三雲貴生 @mikumotakao

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