推し活とは?
昨日は夢中で彼女を調べていたのだが、気づけば寝落ちしていたようだ。
「今日休みで良かったわ……推し活のこと調べていたんだったな。」
眠気眼に目薬を差し込み、コップ一杯の水を身体に流し込むことで無理やり覚醒させる。
で、昨日の続きだな。いまの今までこの手の活動をしたことがなかったもんで、どういったことをすれば配信者の推し活になるのかわからなかったので自分なりに調べてみた。
推しに逢うは――デジタルの中の存在だから無理だな。歌をメインにしているなら後々ライブイベントもあったりするかもしれないが。ファンレターは送れる。ただしプレゼントは駄目と。まぁ、身バレする危険性や危険物を送る輩がいるからだろうし当然の処置だな。検品する人も大変だろうしな……
となると……まずは推しの配信を見るのは当然だよな。俺の推しリュミエール・オプスこと、リュミちゃんの現在の登録者は50万人程、この界隈の中では多い方である。既にコメント欄の雰囲気も出来上がっているだろうから、最初はROM専に徹し様子を見るのがいいかもしれない。他の配信者もちょっと見てみたが、独自のスタンプ、挨拶用語、ノリがあり多種多様でありコメント欄の雰囲気が個々でかなり違うとわかったからである。投げ銭的なシステムでコメントを強調することも出来るようだし雰囲気が掴めてきたらこの機能をつかってみるのもいいかもしれない。
ただ、コメントする時の注意点は推しに迷惑がかからないように注意すること、他のリスナーへ不快な気持ちや喧嘩になるようなコメントを避けるなどモラルも必要と。そして、迷惑行為などがあってもスルーすることやブロックすることで自衛し、快適な配信環境にすることも大事なこと。間違っても強い口調で注意したりコメント欄などで喧嘩などはしてはいけない。各配信者は詳細などにお願いや注意事項を書いてある場合もあるので、推しの概要欄やルールを見ることが推し活の第一歩ではないだろうかと勝手に解釈した。
その他、オリジナルグッズを買うことで活動の支援になる。デジタル音声などの販売もあったりするし、大手となると企業案件やコラボもあるので、全て買うとなるとかなりの高額となるだろう。あと、配信者によってはファンクラブもあるようだけど敷居が中々に高い。そも費用が結構かかるのである。年間で万単位なんてものもあるらしい。ファンクラブか……会員専用SNS、ライバーの日記、限定配信、限定グッズなどなど……費用がかかる分、プレミア感はあるようだけども。
悲しいことにリュミちゃんは投げ銭システムの受け取りやグッズなどはあるが、ファンクラブはまだないようだ。
ここで大事なことは先ほどの投げ銭システムや推しへの投資は無理のない範囲で人と比べないことも大事だと書かれている。自身の生活が出来なくなるほどにのめり込むのは駄目だよな。まして、推しが悲しんでしまうのではないだろうか?
あとは、切り抜き動画で推しの情報や特徴、ネタなどを見るのもありと。
となると、快適に推しの配信や切り抜きなどを見るには広告がじゃまだよな……
そもそも動画サイトのアカウントも適当に作ったから修正しておかんと。
カヅキじゃまんま名前だし、少しネタ的な方向にしてもいいかもしれない。
「あっ……SNSのアカウントもあるっぽいし、フォローしないと……ってこっちも適当な名前じゃんか!」
う~ん。この手の名前考えるのほんと苦手なんだよな。どうしたものか?
十年以上もあの会社で耐えてこれた俺なら――忍耐? いや、これ名前じゃない。
受ける……受け……そう、Mとか? 通じるものがあるけれど、なんかネタすぎてな。
「……Mな猫……おっ、これでいいな! 耐える意味と可愛らしさがあって……おっさんだけどいいか。リアルで会うわけでもないし。これでいこう!」
こうして、推し活の第一歩である推し活の心得を会得した気分になっていた俺だった。この先ネタだ漬けたネームで後悔することも知らずに。
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