第4話海軍が戻りし日

私たちは三日三晩艦を走らせ、潜水艦の襲撃以来なんの障害もなく横須賀へ着いた、そこには我々が腰を抜かすほどの情景が見えていた、「ありゃなんじゃ」そう口にこぼしてしまった何故なら、大和型戦艦の倍でかい戦艦がそこに鎮座していたんだ、横須賀港へ接岸した艦から降りた瞬間近くの海軍士官に尋ねた、「ありゃなんじゃ、大和か?沈んだんじゃないのか?俺は見たぞ大和が沈んだ姿を」彼は答えた「あれは幻と言われていた、超大和型戦艦名は“紀伊”だ」私は眩暈がするほどびっくらこいた、まさかあの世界最大最高最強の大和を超える戦艦がいるとは思っていなかったからだ、彼は続ける「終戦で一時は解体される可能性があったんです、しかしこのご時世です戦線に復帰したんですよ、今回の作戦あの戦艦が肝になってきますよ」それを聞き海軍が元に戻れた思えるほどの高揚感に包まれた、私は嬉しくて嬉しくて堪らなくなり彼にお辞儀をしたあと横須賀港を散策した、呉とは真反対の情景に少し複雑な気持ちもあったがやはりそれ以上に、戦艦紀伊、戦艦長門、空母葛城、駆逐艦響、駆逐艦夕風、そして見たことのない大きな潜水艦がおりこの艦隊は奴等露助の野郎どもを打ち負かせると思えるほどの素晴らしい景色であった、そして出航ヨーイの号令がかかり直ぐに雪風へ戻った、雪風の艦内は昨日まではお通夜みたいな雰囲気だったが今じゃお祭りだ、そして繋留する縄を落として出航した、先頭は戦艦長門であった、どうやら旗艦は長門らしい、その次に葛城、そして紀伊が続き駆逐艦や潜水艦が行く、我々はまず岩手へ向かい補給をし本格的に攻撃を行うそうだ、葛城には厚木飛行場の零戦を数十機積んでいるそうだ、その燃料の補給するためでもあるのだろう、そして艦長室でそう考え艦橋へ戻り指揮を続けた、歴戦の猛者もいればなんの知らない素人も居る、素人にはいろいろ教えなければ使い物にならない、私は率先して新人教育へ勤しんだ、戦場に着くまでには使えるようにしておきたいし、教えていれば自分で判断が出来る、その結果命を守ることにもつながる私はそう思った、そして岩手に着こうとしていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幸運の風になって 石鎚榛名三里の山 @fusoukokoku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ