第3話敵は水底から

私は雪風と4隻の駆潜艇を引き連れ、沖へ出た海の色が綺麗な水色から深い青色になって外洋に出たことを実感した。無線が入った「5時方向なにかが居ます」私は腹を括り久しぶりに、艦橋の天蓋から顔を出したそしてその何かが居る所をおっきな望遠鏡で、よ〜く見たしかしながら薄い影しか見えずそれもコンマ数秒で見えなくなってしまったこの感覚どこかで味わった、そう潜水艦だ「爆雷投射ヨーイ」私はそう叫んだ、すると急いで艦橋から出てくる水兵の姿が見えた。そして副長から「爆雷投射準備完了、これであの化け物を打ち砕けますぜ」そう言われて「よし、水中探信儀になんか映ったらすぐに爆雷投射を落とせ、んで駆潜艇にも手伝って貰え」それと同時爆発音が聞こえた、まるで鯨が飛び上がったのかと思うほどの水飛沫と共に一隻の駆潜艇が水底へ消えた、不覚にも私が見ていなかったと落ち込む余裕すらなく水中探信儀頼りにあの化け物を探すほかなかった、私は手足を縛られ海に放り込まれたと思いきや水底にゃフカが泳ぎ回っていつかいつかと私を狙っているそういう感覚に苛まれた。しかしそんなこと考えていると勝てる戦も勝てないと思い必死で敵の手掛かりを探す、そう思っていたが副長からの意見具申が来た、「艦長このままにゃ敵の思う壺でっせ、奴は潜水艦ですなんで深いとこに居られると困る、なんなら深水が浅いとこに行けば影ぐらい見えますよ」「わかった航海長、深水が浅い海域までヤツを誘き出せ」そして島の近くの水深20メートルあるかないかの海域まで進出した、するとやつの影が見える見えるこれだとゼロ距離で敵をぶん殴ってるほどの酷さだ、我々はかげを捉え爆雷投射を行い、水底から何かが浮き上がってきた間髪入れずに「主砲発射ヨーイ」そう叫び浮いてきたヤツを仕留める準備をした、そして浮き上がってきた、そして主砲発射と叫ぶ前にハッチから白旗が見えた、白旗が見えたら海軍精神、武士道精神のもと発射を取りやめ先に進んだ、何か複雑な感情ではあるが撃ってしまっては私は海軍士官である資格はないと思えた、そう思いつつ我々は横須賀への旅路に戻った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る