第3話

 優月たちのやり方を見ていた草花はにこにこした。


 絶対、草花が選ばれるっ。だってご飯が一番お母さんらしいっ。


「さあ、誰にする?」


 けん玉たちはつぶらな目で草花を見る。


 ぴよぴよと、草花のほうに歩いてきた。


「ありがとうーっ、竹とんぼ、けん玉。いいお母さんになるからね」


 草花はあれ、と思う。


 けん玉たちは草花の横をすり抜けたからだ。ぴよぴよと、にわとりのビー玉にすり寄った。


 ぽろっと涙がこぼれた。


「けん玉、竹とんぼ……」


 けん玉とたちは顔を見合わせる。慌てたように草花に、とりあえずすり寄った。


「ありがとう、草花いいお母さんになるからね」


 草花は満面の笑顔になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

水の空の物語 番外編 ある日の草花 近江結衣 @25888955

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ