第39話アクフの恨み
アクフの成長待ちと言うことで一旦お開きになった対策会の後、「早速特訓、始めてるよ!」と言ったので地上に出て荒野に出ていた。
「まず、魂塊っていうのは最初に決まった能力以上のことはあんまり出来ないとされているよね?」
「初耳だな。デオル師匠はむしろ逆の事を言っていたが。」
(アクフの師匠って脳筋か天才なのかな?)
「まぁ、実際はそうとも言えるし、そうで無いとも言えるんだよね。」
「と言うと?」
「そもそも魂塊作るのと使うのには通常は同じ位の技量がいるんだよ。と言うことでアクフの魂塊について教えてくれる?」
「分かった。」
と言いつつアクフはバファイを具現化する。
「これが俺の魂塊、水の神ハトメヒトを模したのバファイだ。」
『キュュュ!』
「やっぱり神を模した魂塊だね。と言うことは例外じゃなかったらアクフは結構な魂塊を操る技量を持っているってことになる。と言うことでアクフが今習得しようとしている技を試して見せてくれる?」
「分かった。」
アクフはバファイを懐に隠していた銃弾に纏わせて〘
そして『廻音剣』を纏わせて加速させ、
放つ。
「うん、この感じだと真っ直ぐ飛ばすのは制御する為の生力を使わないと無理だね。でもこの感じだと
「具錬式魂塊術って何だ?」
「魂塊の基本技法である纏わせると形を変えて具現化するのを合わせて媒介と魂塊を練り合わせ、半魂半物にして能力とかの向上させる。また魂塊に直接干渉出来る武器を作る。そして
「そんな術、あまり訓練する時間のない俺がやっても習得できるんですかね?」
「私の場合は別にそこまで時間かからなかったし、バファイの魂塊使いのアクフならいけると思う。」
「そう言うなら、やってみるが。」
「あっ、一旦やる前に私の具錬式魂塊術『兵器用意』を見ておいて。見ておいたほうが習得するのに時間がかからないと思うし。」
「分かった。」
アクフの承諾の返事を聞いたヨヨリは「ミロちゃん、行くよ。」と言いミロショウサを〘
変化させた〘
「これが、具錬式魂塊術だよ。」
と何故か少し得意げな表情でアクフに『武器用意』を見せる。かなり趣を感じる黒と黄緑を貴調としたそれを見たアクフは、
(かっこいい!!!)
などと子供ぽい感想を抱き目を輝かせたが、後に疑問が浮かぶ。
「思ったんだが、具錬式魂塊術を使えるヨヨリが直接戦えばいいんじゃないか?」
「『武器用意』じゃ元々の技が使えなくなるし、それに使える技も一個だけでかつ、その技も汎用性が終わっているからアクフが習得したほうがいいんだよ。」
「……具体的に言うと?」
「『超爆破蜂』それ程でもない爆発を起こしてとんでもなく広い範囲を長い事例外なくそこにいた者を狩り取る致死毒の空間にしちゃう。」
「それは確かに強いですけど、こんな所でつかえないな。分かった。俺もヨヨリみたいなかっこいい武器にしたいし、頑張るか!」
早速見よう見真似でやってみようとバファイを〘
「あー、生力込め過ぎだよ。最低限の生力じゃないと反発して上手く混ざらなくなるから気をつけてね。」
「分かった。」
アクフはちゃんとヨヨリの言うのとを聞いて具錬式魂塊術を行おうとするが、今度は変な形に変形して動かなくなってしまった。
しかも、その形はデフォルメされた人間の顔に近く、
更にその表情はアクフが上手く具錬式魂塊術を扱えていないことを「うぇぇえぇえい、なんでこんな事もできないのぉぉおぉ?」と煽っているような表情なのだ。
(え?なにこれ。武器は?)
「……ぷ、ぷぷ、アクフ。変な形になる時はイメージが乱れている証拠だよ。武器に触れて生力を流せば戻るから、気を取り直して真っ直ぐにして作りたい形を思い浮かべながらやっていこうか。」
(作りたい形か、〘
「決まった。」
アクフはバファイを〘
すると、さっきまでが嘘のようにスムーズにアクフの想像する通りになった。
「おお!何だか変に上手く行ったけど、これが具錬式魂塊術!凄い!」
「まぁ、魂塊と纏わせるものが一対一の具錬式魂塊術は普段から魂塊を扱っていたら結構簡単にできる部類のものだからね。これはほんの古手馴しで本番はここからだけれど。でも速度的には私の予想以上だし、アクフにも色々あると思うし、今日はここくらいで良いかな。」
「ありがとうございました!」
「なんで急に敬語?」
「すまない。前師匠の時の名残でやってしまった。気を害したらすまない。」
「別にいいよ。それじゃまた明日。」
ヨヨリと別れてからアクフはいつも通り銃鉱山に行こうとしていた。
(さて、さて、今日はどんな銃が取れるかな〜。)
呑気に今日掘る銃の事を考えていると、何だか怪しい者を見つけた。
怪しい者の風貌は太っているように見えるダボダボマント付きのフードを被っているが、痩せているように見えるズボンを履いており、異様な雰囲気を醸し出していた。
そして、かろうじて見えたフードに包まれた顔はギルドの指名手配犯の似顔絵のものとそっくりだった。
(あいつ、ただもんじゃない。もしかしてあいつが
と思い後ろを向いて逃げようとしたアクフに
アクフが誰が撃ってきたかを確認する為振り返るとまた、
「お前、賞金稼ぎだな。しかも魂塊使い。」
その言葉を放った顔はまるで大好物が出てきて喜ぶ子供のようで、気色悪く下卑た表情浮かべる大人のようでもあった。
(バレてる!もう逃げれない……………やるぞ、俺一人でもやれるとこまでやってやる!)
アクフは早速、具錬式魂塊術を使い〘
アクフが構えた瞬間、
二人はお互いの動きを見合い、
ピストルをアクフに放ちながら飛び上がる。
『
しかし、それだけでは
飛び上がり、ショットガンを宙に浮かべ魂塊の特殊能力『
放たれた弾丸はアクフに落とされるが、
大量かつ様々な種類の銃が浮いており、アクフに大量の銃弾を飛ばす。
飛んできた銃弾を『
(このままじゃ、構えが崩れる!)
と、なかなかに芳しくない状況であった。
最初の内は構えを研ぎ澄ます時間があったが、それが無くなり銃弾を防ぐたびにどんどん『
(ヨヨリの言う通りだな。取り敢えず数をこなせるから『
アクフは『暴剣』と牽制として『超音剣』を使いギリギリで、銃弾を躱し近づいていく。
「くっ、ふふふ!いいなぁ、お前殺し甲斐がある!」
と言いつつ、
銃弾だけを避けるのに夢中になっていたアクフに頭蓋骨は無情に当たり、擦り傷を量産しいたるところから血が流れ出す。
それでも一切気圧されずアクフは
(よし、後もう少し!)
と、いう所で、
「さぁて、鬱陶しいからもうそろそろ折るか。」
「っっっ!」
標的にされたのは『
そして、〘
雑に蹴られて根本からポッキリと折られた
(ッッッッッッッッッッ!!!)
〘
アクフは今はそんな事を言っている場合ではないとわかっていながらも〘月光〙と〘試作〙を取り出して叫ぶ。
「許さない…………
叫んでからのアクフは『暴剣』で命を落としてもいいとでも言いたげな無茶な動きをして特攻する。
怒りの程は「ふ、ふふ!お前は
火事場の馬鹿力を利用しての『暴剣』と『打音放』でアクフは瞬時に
そして、
「『
最大出力の『
「ふっ、はっ、は!お前意外と強いな、よっしお前と同じ術を使ってやんよ。」
そう言って瞬時に浮かしていたピストルとショットガンから魂塊を分解して
具錬式魂塊術を使い、『
着た瞬時、早速〘試作〙に集中砲火し、バキバキに折った後にアクフを蹴飛ばす。
次にアクフが取り出した〘月光〙と〘
アクフは最後の望みである〘
進む。
もう〘
そして、〘
『廻音剣』弾を放つ。
しかし、無情な事にその攻撃は
お返しとばかりに
零距離射撃でありアクフが防ぐのは殆どに無理なうえにアクフの生力はもうほとんど残っていない。
またやって来た死という焦りがアクフを憤怒から少し目覚めさせる。
(くっ、もう終わりか…………いや!!!俺はスドさんの気持ちや苦労の結晶を笑って壊したクソみたいなこの世にいちゃいけない
そう思ったアクフの脳裏に一つの技の記憶が蘇る。
「さて、これで終わりだぁあ。」
そして、思考するより早くその技は反射的に実行される。
「『
咄嗟にアクフは後ろ斜め上に飛び回転しながら〘
(ふぅ、取り敢えず助かった。だが、もう生力もないあいつを殺す手立ては…………。)
と思考し脳を全力で回していると。
コルク銃の銃弾が直撃した影響でアクフの意識は朦朧となる。
「お前は殺し甲斐あって面白そうだからな。今回は見逃してやるよ。せいぜい、頑張ってまた俺を殺しに来い。」
そう吐き捨てて
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