第40話『銃音風駕』
アクフは気絶させられ
「ふんふん、で、あの
「ああ、面目ない。あと生きているのは俺の実力じゃなくて
「まぁ、そうだね。そう言えばぬあの
「俺と戦っている時に最初の内はヨヨリの情報通りに戦っていたけど、途中から恐らくですが具錬式魂塊術を使って武器の服を作って着ていました。」
「そうか、分かったよ。次に戦うときに参考しようか。」
「さて、ヨヨリ……………………〘
「駄目だよ。いくら
アクフの体には
「いや。」
と言ったアクフを遮るようにヨヨリは大声で諭そうと口を開く。
「アクフ、今の状態で激しい運動だったり魂塊を無理につかったりしたら本当に死んじゃうよ?いいの?」
一拍おいてから力強く言う。
「確かにアクフの今すぐにでも
力強いヨヨリの言葉により怒りに取り憑かれて殺すことしか考えられなかった頭は意思によって洗い流された。
「ヨヨリ、すまない。」
「いいんだよ。私もそういう時期あったし。」
「それじゃあ俺は寝る。それと、治療と介抱してくれてありがとうな。」
「うん、どういたしまして。あっ、後、アクフが抱えている怒りはアクフだけが抱えているわけじゃないよ。一緒に敵を取りに行こう。」
「分かった。」
アクフの了承の言葉を聞いたヨヨリは「それじゃ、私はミティスちゃんの様子見に行くから寝ててね」といい去っていった。
(はー、やってしまった。)
もうアクフの心の中に取り巻くのは憤怒の念ではなく、後悔の念だった。
(〘
あっ、だけど無駄に立ち向かったから今俺が生きてるんだよな。でも今回だけ特別だっただけで普通に逃げたほうがいいんだよな。まぁ
そう思いつつ、天井を眺めていると『
(……そういえば、数年ぶりに『暴剣』にみたいに技が頭の中に浮かんだな。前に思い浮かんだのは俺が初めて戦争に参加して死にかけてた時だったかな…………もしかして、死にかけたら頭の中に浮かぶのか?いや、あまり記憶にないが神を模したイカれた魂塊使いの時も両腕なくなって明らかに死にかけてたし、ワイバーンの時もそうだったし、何が条件なのかわからない。
しかも、前は『暴剣』の名前は浮かばなかったのに今回ははっきりと『
そんなことを考えながらアクフは眠りについた。
――
アクフが久しぶりに死にかけていた頃、スドを仲間に加えてアクフ探しを続けているナルにターニングポイントとなる出来事が起こる。
それは、アクフが落ちた穴を発見したとこだった。
「スドさん、これって。」
「……ああ、所々に文字らしきものが書かれている。間違いなく何かの遺跡だな。」
ナルとスドはアクフと同じ様に穴にハマってしまったのだ。
(うーん。アクフが通ったと思う場所にこんな凄く大きい遺跡へ繋がる落とし穴…………多分アクに関係ある。けど、もしそうじゃなかった場合は戻るのに結構な時間かかりそう、どうしよう?)
「……ナルフリック、軽く調べてみたが俺たちが落ちてきた穴は塞がっていた。それに象形文字は、此処から先へいかなければそなたまたはそなたらは呪い殺される。と書いてあった。」
「えっ!?スドさん象形文字読めたの?」
「……ああ、昔ちょっとな。」
「それだったら進んだ方が良いかな。」
「……いや、普通に嘘の可能性もある、が………アクフのものらしき足跡があった。行ってみる価値はありそうだ。」
「一応言っておきますけど私は行きます。殆ど手がかりがなかったところからここまで来たんです。ここで引きたくない。」
「…………そうか、ナルフリックがそういうなら俺もそれに従おう。」
そう言って二人はアクフの足跡を辿り遺跡の中を歩いていった。
――
数週間後、傷が塞がったアクフは〘
そして、鍛錬中にとある考えが頭の中に浮かぶ。
(今は〘
アクフは横で素振りを見守っているヨヨリに向かって言う。
「ヨヨリ、今の俺に〘
「うん、すぐにとは言えないけど1週間ぐらいにはできると思う。それに2つの武器で具錬式魂塊術を使えたら新技も完成すると思うしね。あっ、でもするんだったらあんまり元にした武器とかけ離れすぎているものだったり大きさが違いすぎるのはやめたほうがいいよ。余計な時間かかっちゃうから。」
「分かった、今からやってみる。行くぞ、バファイ。」
〘
(作る形は〘
バファイを満遍なく纏わせ、形を変化させようとする。
一つの武器で行う具錬式魂塊術とは別格の反発を感じるが、気合で収める。
そして溶け合い混ざり合って大きくいる〘
(これを完成できなかったら
アクフは普段は使わない神経を全て具錬式魂塊術武器を完成させる為に使う。
すると。
(これは……!)
驚くべきことにアクフの目の前には不格好ながらにも具錬式魂塊術武器のスナイパーライフルがあった。
「あんまりかっこよくないけど、やっっっっっったぁぁぁ!」
「アクフ、早速新技が撃てるか確認してくれない?」
「分かった!」
アクフはまさに有頂天といった感じで銃弾を装填し撃とうする。
「的はあの岩だ。」
と言い『廻音剣』をとんでもない速度で回転させながら銃弾に纏わせて構える。
因みに的は1.5キロ先にある。
残念ながらスコープは再現できなかったためにアクフは持ち前の視力で岩を狙う。
狙いが定まった瞬間、とんでもない速度で回していた『廻音剣』の範囲を生力を織り交ぜながら圧縮する。
圧縮すればするほど掛け算のように回転速度は増していく。
そして、最大限まで圧縮しきった瞬間。
撃つ。
銃弾はブレず、圧倒的な速さで生み出された特殊なカッターのような衝撃波と、周りのものを全て吹き飛ばすような勢いの風を纏う。
周りのものを吹き飛ばすような勢いの風は当初アクフが考えていた竜巻に匹敵どころか、凌駕するほどの威力を誇る。
その銃弾はただただ真っ直ぐ音速を置いてきぼりにするほどの速さで的を射抜くためだけに進む。
そして、的に的中し的を切り刻みながら吹っ飛ばし風穴を開け、的を消滅させた。
「できた!よっし!技の名前は銃から出た音の風を凌駕する技だから『
アクフは溜まっていたものが全て吐き出されたように清々しく言った
「良かったね!アクフ!」
(よっし!これくらいなら
「アクフ、『
そう言ってヨヨリは忍者のように速く走りアクフの元を去っていた。
(『
アクフは自分の手で握っているまだ未完成なスナイパーライフルを見てそう強く思った。
(そう言えば、この武器の名前どうしよう……いや、今はまだ完全には完成してない。完成するまでは名前をつけるのはやめよう。)
そして、もっと高度なものにする為に試行錯誤を開始した。
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