第38話銃万象を追う者達
「このハンバーガー美味しいね!」
ヨヨリはアクフが不思議な味と称したハンバーガーをもぐもぐと本当に美味しいそうに食べながらそういう。
「改めて、この度は加勢してくださりありがとうございます。」
「あっ、別にいいよ。お互い同じ賞金稼ぎだし、賞金が手に入るし、助けない手はないからね。あと、もっと楽にしてて敬語使わなくていいよ?」
「そう言ってくれと助かる。そういえば
「ああ、あの
言葉を紡ぐたびヨヨリの顔は吐瀉物を見るようなものになっていくがそれを気にせずヨヨリは話を続ける。
「で、
「ちょっと気になったことがあるんだが、言っていいか?」
「別に構わないよ。」
「失礼を承知でいうが、ヨヨリさんってなんで
「そうだね。それは
「それなら俺達も
「うーん。アクフくんだったよね?」
「はい、合ってます。」
「んじゃ、正直なこと言うけど。今のアクフくんの実力じゃ、
「もう一体魂塊を作る……か。」
(考えもしなかったな。俺にはバファイがいるし頑張れば何とかなる気がするが。)
「そう。あっ、確認したいからアクフくんの魂塊出して。」
「分かった。」
アクフが了承の返事をした後即座にバファイを見えるようにした。
「やっぱり神を模した魂塊だよね。それを扱えてるんだったら自分で魂塊作れると思うから頑張ってね。」
(何だか、話そらされてないか?)
「いや、俺の改善点を教えてくれるのは嬉しいが、俺達と組むか組まないかだけ先に言ってくれないか?」
「……因みにアクフくんの他に誰がいるの?」
「【無剣の有剣】のミティスとか。」
「組まさせてもらうよ!」
そして、後日。
ヨヨリの顔合わせを兼ねての作戦会議が酒場で開かれている。
「えー、色々あって【花蜂】のヨヨリが組んでくれることになった。」
「よろしく。」
「おうおう、これまた良い戦力になりそうなやつが来たな。よろしくだな。」
「噂には聞いたことはあるわ、
「うん!うん!いやー、やっぱり【無剣の有剣】のミティスちゃんは噂通りに美人だね。」
「別にお世辞を言わなくてもいいのよ?」
「世辞じゃないよ〜ちょっと発作的に出ちゃっただけだから気にしないで。」
「で、まず
ミティスの問にヨヨリが答える。
「結構
「具体的には何処の辺り?」
「まず、これまでの弟子の銃の情報からガンストンの東地区にいることは分かって、この前の
「そうかそうか……。俺も探していたがここにいること以外分からなかった俺とは逆にそこまで突き止めていたのか。それじゃあ遂にあいつと戦う作戦を考えねぇとな。」
「うん?なんでまだ根城がはっきりしていないのに作戦?」
「ああ、それは俺の魂塊個別能力『
「おうおう、そうだ。多分この中だと魂塊を使えない俺が一番弱ぇと思う、だから俺が壁役になる。個人的にゃあアクフが攻撃を引き付け、ミティスが足止め、ヨヨリが攻撃と言うのでどうよ?」
「いや、概ねそれでいいと思うけど、
「なんでだ?噂では【花蜂】さんは相手をとんでもない手数で屠ると言う逸話が伝わっているが?いくらアクフが一撃で秀でていても手数じゃあヨヨリの方が多いだろ。」
「有象無象の攻撃じゃ
「まぁまぁ、俺より数倍強ぇヨヨリが言うならそうしようか。んじゃ、俺の気の察知だけじゃお前たちに使う技まではわかんねぇかんな。可能な限り手の内明かしてくれや。」
まず、ミティスが明かした所持している能力は。
キノコの魂塊、コテスの能力の対象を選んで幻覚を覚えさせる胞子を撒き散らす能力『幻覚霧』。
影潜り族の代名詞とも言える技の一部で干渉したい相手の近くの影に潜り、煮えたぎる怒りを剣に変え相手の精神を攻撃する『怒心剣』。
因みに干渉する相手の精神強度にもよるが相手の精神を斬ると1日から1時間程気を失う。
『怒心剣』を使い怒りを瞬時に爆発させ相手の心を爆撃する『
3つの能力をミティスが言った後にヨヨリが明かす。
ヨヨリの魂塊はガンストンからみて東側の遠い所に生息しているアーミーハニービーという種類のもので、能力名は『全隊出陣!』。
能力の概要としては強化されたアーミーハニービーが纏った物から特攻隊、偵察隊、遊撃隊、火力支援隊、後方救護隊の5種類の各部隊30匹、最大150匹出てきて相手を自動で攻撃等するというもの。
そこから派生する特攻隊強化されたアーミーハニービーを特攻させて当たると爆破する『
特攻隊又遊撃隊の強化されたアーミーハニービーが毒を塗ってある針を発射する『
火力支援隊が蜂の巣から毒爆弾を発砲する『
偵察隊の強化されたアーミーハニービーが硬化して集まり壁となる『
遊撃隊の強化されたアーミーハニービーが大量に集まり犇めいて高温の玉となり相手を焦がす『
火力支援隊の蜂の強化されたアーミーハニービーが巣から蜜弾を射出する『
後方救護隊の強化されたアーミーハニービーが処置用の蜜を塗りたくり傷等を治癒させる『
『全隊出陣!』で最も威力のある攻撃。武器の先端を蜂の巣状態にし、そこから特攻隊アーミーハニービー十匹を一つの玉とする大砲を発射する『
の合計9つの能力又技を明かした。
「おうおう。まだ色々なにかありそうな面ぁしてるのにこれだけあるなんて驚愕だな。」
「アクフもこれくらいあると思うよ。」
(ヨヨリ俺に対して何故か評価高いな。)
「そうかそうか、やっぱりアクフは【花蜂】にも高評価だな。じゃあそこまで言うなら任せよう。じゃあ作戦はアクフの技の完成度次第だから完成したらまた開くぞ。」
「分かったわ。」
「アクフは私が責任持って導くから安心してね!」
「よろしく。」
「それじゃあお開きだ。」
――
過去の事はあまり思い出したくない。
と常々思っているが依然として心が訴えてしまい思い出してしまう。
それはヨヨリの目の前で大切な者を高笑いを上げながら
そして、その悔しさを晴らすのと大切な者の敵を取るため
その旅の途中魂塊というものを知ってアーミーハニービーの魂塊ミロショウサ。略してミロちゃんを作り魂塊使いになったり、凍えながら豪雪地帯を超えたり様々なことをしたが、
憎しみは増幅に増幅を重ねた。
また、ヨヨリと同じ様に
穏やかではない心情で旅を続けていたヨヨリは旅の最中
知ってしまった時のヨヨリはかなり荒れたがプラスに考えて
そして、ガンストンの地下街ギャングスガンにやって来た。
ギャングスガンには大量の
賞金稼ぎとなりミロショウサを使い
その地道すぎるやり方と環境でヨヨリはさらに荒み負の感情が大きくなっていくのにそれを解決できる唯一の方法は遠い。
が、そんな状況を打開する人物が見つかる。
それはミティスだ。
顔は自分と同じ感じだったが、実力は確かにあって何か自分とは別のものである事を察し、できれば接触したいと思っていたが中々居場所が分からなかった。
そんな時に現れたのがヨヨリが一番この状況を打開出来るであろうと思っている者。アクフだ。
そして、いつもと同じような要領で
ミティスとの親交を深めようと最初の内は考えていたが、徐々にアクフに興味が移っていく。最終的には
(必要なものは殆ど揃ってる。後はアクフを仕上げるだけ。私の旅路も長かったけどもうあと少しで目的地まで辿りつけそう。ようやく旅で出会った
ヨヨリはギャングスガンの星星の様な鉱石を見ながらそう決心する。
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